読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年9月発行 広報よみたん / 12頁

珍獣一角獣シーサー登場 村総合福祉センター 金城実氏(彫刻家)

珍獣一角獣シーサー登場 村総合福祉センター 金城実氏(彫刻家)
 「アレ!この動物何獣?」-見た目は胴体がピューマ、足のかたちは人間、しかも頭の中央に一本のつのを生やしているのでなおさらだ。誰としてその名をズバリ答える者はなく、一角獣論議は当分続きそう。ただし制作者は「これは沖縄のシーサーである」。と断言。やっぱりそうか、成程そういえばシーサーによくにているゾとは外野席のヤジ馬まじりの声。おかしなおかしな珍獣に今、村総合福祉センターを訪ずれる村民から時ならぬ珍獣名命問答でひときわにぎわっている。
 話題の珍獣、名付けて琉球シーサーは村総合福祉センター入口横にドカッと大きな肢体で立ちはだかり、しかも大きな口は今にも吠えさかり、とびかかってきそう。話題の珍獣シーサーの制作者は金城実氏。氏は先の戦争と人間彫刻展全国キャラバン読谷編に同行、本村の村民性に魅せられた氏は、我が村でウチナーンチューの神髄を身に覚えたとし、琉球のシーサーを元のシーサーに甦えらそうと三日がかりで仕上げたもの。シーサーは胴体の長さが三メートル、体高が一メートルというジャンボなシーサーである。金城氏は制作にあたって「今日のシーサーは観光みやげ品になっておとなしいシーサーになっている。シーサーの本来の姿は守り神であり魔よけであり、奮い起つシーサーでなければならない」と語りご覧(写真)のような珍獣シーサーになった。
 制作には金城氏を主とし、アシスタントに村内の青年五名が制作を手助けみごとな珍獣シーサーが仕上がった。シーサーは生々とし、今にも勇ましく吠えそうな雄姿は村総合福祉センターの守り神となるものだろう。また、旧読谷飛行場における一連の動きに対する村民の怒りと、本村の歴史的な基地反対闘争、その拠点が旧読谷飛行場地内であり、歴史的にしいたげられた村民、その怨念の炎が満面シーサーに表現され、その姿は村民の心をも意味するもので、珍獣シーサーを高く評価する村民は多い。

※写真は原本参照

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