読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1980年12月発行 広報よみたん / 4頁

診療所だより №1 塩見裕一 胃・十二指腸潰瘍

診療所だより №1 塩見裕一 胃・十二指腸潰瘍
 私が村立診療所に勤務して一ケ月まず感じたのは、胃・十二指腸潰瘍が多いと言うことです。この病気は「人」と「人に飼われたイルカ」しかかからないつまり精神的に高度な動物の病気なのです。緊張した不安に包まれた環境の中で起こる現代病の一つです。これは冗談ですがその意味では読谷村は既に文化村なのです。
 ところで胃十二指腸潰瘍とは左図の部位に傷が出来る病気でその割合は胃に1/4十二指腸に3/4と言われています。また男は外に出れば七人の敵ありで男に多い病気です、まさに「男はつらいよ」ですね。だけどはっきりとどうして潰瘍が生ずるのか現在の医学でもわかっていません。
 さてどういった症状があれば疑われるかと言うと「胃袋のあたりが痛い」特に十二指腸潰瘍では「腹ペコの時痛い」ことです。また、「近頃便の色が黒い」と言って来る人もいます。しかしこういうことは他の病気からでもきますしその区別のためにも検便が必要です。
 まず第一は検便ですが沖縄の人は肉を多く食べるので余りあてになりません。第二は胃・十二指腸透視でバリウムという白い液を飲んでレントゲンに写す検査です。これで傷の場所やある程度の症状がわかります。第三は胃カメラと呼ばれた内視鏡検査です。これを胃・十二指腸に入れて直接、潰瘍をのぞくのです。それは頂度お月さんのあばた(クレータ)のようです。最近の内視鏡は沖縄ソバを少し太くした位で呑み易くなっています。
 皆さんのうちの多くは一度か二度はこういった検査を受けたことがあるでしょう。私自身も自分でやりました。「医者の不養生」と言われないために!!。

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