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1980年12月発行 広報よみたん / 7頁

母と子の会話 わがままと自己主張の区別を

母と子の会話 わがままと自己主張の区別を
 いまの子供は、わがままで、がまんすることが苦手だと、よく言われます。
 わがままとは、ふつう、強情で利已主張が強く、自分本位の身勝手な行為や心理を言います。そして、自分の思い通りにならないと、カンシャクを起こして泣いたり、乱暴をはたらいたりします。
 このようなわがままの性格は、親の過保護甘やかされて育った子供に多いと言われます。
 親にしてみれば、かけがえのない子供という意識が先行し、子供のためなら精いっぱいのことをしてやろう、子供が喜ぶのなら何でもきいてあげようといった気持ちが、ややもすると、子供のごきげんとり、に終始してしまうのです。
 こういう子供は何でも思い通りになる親の心はよく理解できても、同じ年ごろの友だちの気持ちはなかなか理解できません。
 その結果、子供たちの間では利己主張が強すぎて、協調性を欠き、みんなと一諸に仲よく遊べなくなったりします。
 このようなわが子のわがままに困りぬいて、お母さん方の多くは、支配的、抑圧的な態度で一方的におさえつけるようになりがちです。
 そのため、子供にしてみれば自分の欲求不満を心の奥深く押しかくし、表面的には親に気にいられるようにしながらも、かむり屈折した心理状態にならざるをえません。
 気をつけたいのは、わがまま利己主張と正当な自己主張を区別して受けとめてやることです。
 頭ごなしにしかる前に子供の言い分をよく聞いて、納得できるところは受け入れ、わがままな面は話し合いを通して子供にわからせるようにすることが大切です。
 子供が、その場の状況に応じて自分をコントロールすることができるように、ふだんのしつけに気をつけたいものです。

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