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1981年1月発行 広報よみたん / 6頁

高額療養資金貸付制度 昭和五十六年度一月一日診療から恩恵

高額療養資金貸付制度 昭和五十六年度一月一日診療から恩恵
 先に開かれた第八十七回村議会定例会(十二月十五日~二十二日)において、提案されていた「高額療養資金貸付制度」の議案は全会一致をもって、可決成立いたしました。
 これにより、昭和五六年一月一日からの診療については同制度の思恵を受けることになり、高額療養被保険の経済的便宜がはかれるものと期待を寄せられています。
 本村における高額療養の状況は昭和五四年度分において九八七件です。一件で一○○万円以上の療養費が五件もあり、中には一人で四〇〇万円を越えた療養者が二人もいます。こうした中で高額療養被保険者にとっては一時的であれ、かなりの経済的負担をしいられ、今回の「高額療養資金貸付制度」は村民福祉の大きな前進と受け止められ各地で歓迎されています。
 今般は「高額療養資金貸付制度」についてスコープしてみましょう。

 制度の目的は、医療機関の整備拡充と医療技術の進歩によって高額療養費の支出は年ごとにふえる傾向にあり、今後も大幅に伸びることか予想されます。
 そのために一部負担額(三割分)を自己の資金で支払うことが出来ない場合、これらの被保険者に対して高額療養資金を貸付けすることによって経済的に便宜を与え、充分な療養を確保し、生活の安定を図ることを目的としています。
 制度の内容は、本村の国民健康保険に加入し、高額療養費の支給を受ける見込みのある被保険者で、保険診療費の一部負担額を自己の資金で支払うことができない世帯主に対して貸し付けします。
 貸付金額及び条件として一部負担額から三万九千円を差し引いた残りの額で、保険診療で支払うべき高額療養費の範囲内とし、貸付け利息は無利子。返済は高額療養費の支給日で一括償還の方法になっています。
 なお制度の実施については、昭和五十六年一月診療分から適用されます。

高額療養資金の貸付手続はこうして
①病院や診療所などから一部負担額を三万九千円以上請求され、三万九千円をこえた額を自己の資金でどうしても支払うことが出来ない時に、患者あるいは家族から医療機関に対して超過額の支払猶予を申し出る。
②医療機関の承諾を得たら役場の保険年金課の窓口で国民健康保健一部負担金未払残高請求書の書類の交付を申請する。
③請求書の交付を受けたら医療機関に提出して所用の事項を記入依頼し、医療機関が発行した請求書をそえて高額医療資金貸付申請の手続をとる。
④貸付申請書を受理すると、申請書の内容を点検し、貸付決定あるいは貸付不承認の決定をし申請者に通知する。
⑤貸付決定を受けた被保険者は借用証や代理人届を提出し、貸付金については直接被保険者に交付しないで代理人と医療機関の間ですべての支払事務をやる。
⑥三ヶ月後に診療報酬明細書が役場に届きますので、高額療養費を決定し、支給申請・代理人受領・償還の事務すべてを代理人が行って一連の事務は完結することになります。(事務の流れについては下図の略図を参考にして下さい。)

高額療養費制度とは
 次に高額療養費について説明いたしますと、高額療養費とは、ひとりの被保険者がお医者さんにかかって、一つの病院や診療所に一ヶ月に三万九千円以上の自己負担額(保険診療費の三割)を支払った場合は、その三万九千円を超えた額は全額国保が負担して支給します。これを高額療養費の支給といいます。
 つまり、被保険者はどんなに重い病気やケガになっても医療費の自己負担額は月三万九千までということになります。
 高額療養費の支給についてはいろいろの条件がありますのでそれらの条件に該当しない時には自己負担額は三万九千円以上になります。
 たとえば、ある人が一ヶ月間入院し、保険診療で支払うべき医療費が五○万円かかったとした場合、一部負担割合が三割ですので自己負担額は十五万円になります。この自己負担額の十五万円から三万九千円を差し引いた残りの額十一万一千円が高額療養費として支給されます。
 高額療養費は診療から三ヶ月後に支払いされますが、世帯主が領収書をそえて役場窓口に申請しないと支給できませんので注意して下さい。

※図「高額療養資金貸付制度のあんない」は原本参照

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