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1981年2月発行 広報よみたん / 6頁

成人病予防週間2月1日~7日 ““一家の柱・働き盛り””を襲う 亡くなる人100人のうち65人までが成人病

成人病予防週間2月1日~7日 ”一家の柱・働き盛り”を襲う 亡くなる人100人のうち65人までが成人病
 わが国は、いまや世界一の長寿国になりましたが、その一方で、脳卒中、がん、心臓病などのいわゆる成人病で亡くなる人が年々増えています。
 昭和五十四年の「人口動態統計」(厚生省)によりますと、死亡者の約六五%-つまり百人のうち約六十五人までが成人病で亡くなっています。
 成人病-とくに脳卒中、心臓病など、いわゆる循環器系の成人病は、中年を過ぎると急に増える慢性病の一つで、高血圧や動脈硬化が主な原因ですが、家庭では一家の柱、職場では働き盛りの年齢層を襲うところにその怖さがあります。
 二月一日から七日までは「成人病予防週間」です。
 昭和二十六年以来、三十年間にわたって日本人の死因の第一位を占めてきた脳卒中と、がんに次いで”死亡順位”三位の心臓病について、その症状および予防と対策を紹介しましょう。

脳卒中 脳の細かい動脈が破れたり、詰まる
 「人間は血管とともに年をとる」-とよくいわれます。
 脳卒中とは、脳の血液の流れに障害が起き、脳の細かい動脈が破れたり、詰ったりするものです。
 いわゆる「中風」は、脳卒中の後遺症から、手足のマヒや知覚障害、精神障害をきたしている状態を指します。
 脳卒中には「脳出血」「脳梗塞」「クモ膜下出血」などがあります。
 〈脳出血〉
 脳の動脈が破れて、血液が血管の外へ流れ出た状態が「脳出血」です。
 脳の神経が障害を受けるため多くの場合、突然、意識を失って倒れ、深いこん睡状態に陥るとともに半身がマヒします。
 〈脳梗塞〉
 一般に脳梗塞といわれるものには、脳血栓と脳塞栓があります。
 脳血栓
 脳の動脈が硬くなり(動脈硬化)、血管がだんだん狭くなってやがて詰まり、そこから先に血液が流れなくなった状態が「脳血栓」です。
 その結果、脳組織に栄達分や酸素が届かなくなり、脳細胞は破壊されてしまいます。
 多くの場合、めまいや頭痛、舌のもつれ、手足のしびれといった”前ぶれ”が見られますが、発作が起こると、半身がマヒしたり、こん睡状態に陥ったりします。
 脳塞栓
 主に心臓弁膜症などによって心臓内にできた血液のかたまりが、血管を通って脳に運ばれ、脳の動脈に詰まって血液が流れなくなることによって起こります。
 症状としては、半身のマヒや言語障害を伴いますが、脳血栓に比べて発作が急に起こるのが特徴です。
 〈クモ膜下出血〉
 脳はクモ膜という膜でおおわれており、クモ膜と脳の表面には細かい動脈があります。
 このクモ膜の下の脳動脈に小さなコブができ、血圧が上がったときなど血管が破れて出血するのが「クモ膜下出血」です。
 頭痛がはげしく、胸がムカムカして吐き気を催し、意識を失う場合もありますが、手足がマヒすることは、まずありません。

心臓病 冠状動脈が狭くなったり、詰まる
 心臓は、わたしたちが生きている限り、片時たりとも休むことなく、血液を全身に送り出す大切なポンプの役目をしています。
 同時に、心臓自らも、心臓をとりまいている冠状動脈から血液を送ってもらい、その栄養分によって活動しています。
 ところが、これらの冠状動脈の血管が狭くなったり、また詰まったりすると、血液の流れに障害が起こり、心臓の機能に異常をきたします。
 これが心臓病で、主なものに狭心症や心筋梗塞があります。
 〈狭心症〉
 心臓への”栄養補給路”ともいえる冠状動脈の血液の流れが、一時的に少なくなり、酸素の供給が不足するために起こります。
 狭心症の発作は、体を動かしているとき、とくに歩いているときに起こることが多く、普通は胸の中央に圧迫感を伴う痛みがあります。
 この痛みは、多くの場合、安静にしていれば一~五分でおさまります。
 〈心筋梗塞〉
 冠状動脈がふさがって血液が流れなくなり、その結果、心臓の組織(筋肉)が破壊され、その一部が死んでしまった状態が心筋梗塞です。
 心筋梗塞の発作は、狭心症よりも激しい痛みが胸全体におよび、しかも長く続くことがあり、最悪の場合は数時間のうちに死亡することがあります。

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