療養費 対前年(4月~12月)比較37%増加 健康管理に充分気をつけましょう
健康であることは、かけがえのない幸せな家庭を築く礎といえます。しかし、万一の病気、不慮の事故は予測できないものですネ。私たちは常に心にゆとりある生活で、自らの健康管理に努め病気の早期発見、早期治療をこころがけねばなりません。
先に役場・保険年金課がまとめた今年度四月から十二月期による「療養給付費支払い状況」によると、療養給付支払いの異常な伸びに保険年金課は目を丸くしています。
ちなみに、今年度四月から十二月までの療養給付費支払いの状況を昨年度同期実積、に比較してみると、実に三七%という異常な伸び率を見せています。この状態が継続すると、今年度末には軽く四〇%台を越え、五〇%の大台に乗せる可能性もあるといい、国民健康保険財政は最大のピンチに追い込まれるものと予測されます。
こうした異常な伸び率をみせる療養給付費の支払いは、これまでの年度別推移ではみられず、たとえ医療費改定の年であっても三〇%台の伸び率でした。今年度の療養費の支払い増加は異常値とされ「国民健康保険財政の台所は火の車です。この状態では保険税を大幅に値上げしなければやりくりできません。」と担当課はきびしい口調で話していました。
療養給付賞支払いの高謄について、保険年金課まとめの資料分折によると、診療件数では十一%の伸びしかみられません。しかし、療養費給付額については三七%の伸び率になっています。医療費の改定値上げなくして三倍近い伸び率は余りにも不自然であり、異常値として注目されています。ちなみに県内他市町村の平均伸び率は十七%台だといわれ、本村の四〇%台という伸び率はいかに高い数値であるか伺えます。
次に医療機関別療養給付費の支払い状況をみると、医療機関によってかなり数値のバラつきがみられます。医療機関のほとんどは診療件数に応じて療養費の給付額は比例しています。だが、なかには反比例する医療機関もあります。たとえば、診療件数については昨年度実積より六%(見込み)減少しているなかで、療養給付鷺については五〇%(見込み)近い上昇率を示す医療機関もあります。このことについて担当課では「病気を治すための検査、投薬治療は不可欠でしよう。しかし、診療件数実質減に対し療養費の支出は大幅増、どうみても不自然ですネ。」と目を大きくして話していました。
本村においては全村民の五六%が国民健康保険に加入し、国民健康保険制度は私たち村民の生活に深く根ざした、なくてはならない制度といえます。同制度はふだんから保険税を出し合い、病気やケガによる不時の出費に備える相互秩序の制度で、国民健康保険加入者はそれぞれ共同負担しなければなりません。
そのことは、今年度の異常な国保財政の支出は直接わたしたち村民の財政負担につながり、相互秩助の立場で保険税の負担増を余儀なくされるものです。
また、昭和五十六年度においては医療費の改定値上げも予測され、国保財政の台所は最大のピンチを迎える年になりそうです。ともあれ相互秩助の精神で運用されている「国民健康保険特別会計」は保険加入者が健康を保つことにより税負担も軽くて済みます。しかし、不慮の事故病気は予測できないものです。私たちの健康には日頃から充分気をつけ、健康なからだを保ち、病気に「犯されない」。これが長寿への道となり、国保財政の健全運営、まさに一挙両得といえます。