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1981年3月発行 広報よみたん / 6頁

診療所だより №3 塩見裕一 成人病と運動

診療所だより No.3 塩見祐一 成人病と運動
 脳卒中・ガン・心臓病はいわゆる成人病に含まれます。このうち、脳卒中と心臓病の主な原因は高血圧と動脈硬化です。また、糖尿病や高脂血圧があると「いけないねえ」と言われるのはこれらの病気が動脈硬化を促進させるからです。
 今回の主題の連動は高血圧と動脈硬化に良い影響を与えます。しかしそれも程度問題で、薬を併用する必要のある場合や逆に運動を禁止される場合もあります。それぞれについてはやはり主治医に相談して下さい。
 一般に運動は静脈のうっ血や血栓のできるのを予防し、末梢血管のマッサージとなり、血液の循環をよくします。次に連動により精神的ストレスを解消することは高血圧に効果があります。実際、高血圧の導入薬として精神安定剤を用いることがあるのはこのためです。また長期間連動している人は、筋肉での血中脂肪酸利用率が高まっています。従って動脈硬化になりにくいのです。
 ところで運動の基本となる動作には①迅速運動-徒競争②持久運動-散歩からマラソンまで③力連動-重量挙げ④巧緻連動-テニスに代表される球技があります。これらの中で成人病の対象である中高年者には②の持久運動と④の巧緻運動が適しています。特に歩行運動はいつでも、どこでも行え勧められます。できるならブラブラとではなく手をふって元気よく歩きましょう。30分の散歩で80カロリー、(ごはん軽く半杯分)消耗します。ゴルフやテニスも良いですが、スコアにこだわらず、エキサイトしてかえって血圧が上ることのないようにしましょう。  それでは「成人病と運動」の七ケ条をあげましょう。
一、少しでも毎日運動
二、日常生活にもとり入れる
三、イライラからの解放
四、天気を考える
五、疲れがたまらないように
六、睡眠・食事・嗜好品に注意
七、平素健康診断を受ける
 特に最後については、慢性の循環器の病気がある人が急に激しい連動をすると突然心不全で頓死することがあるからです。
 人には生理的年令差があり、35才で8才、65才で16才といわれています。つまり65才では、生理的に老けた人で73才、若い人で57才ということです。やはり誰でも若くありたいですよね。お互い頑張りましょう。

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