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1981年3月発行 広報よみたん / 7頁

母と子の会話 親の影響 共感の土壌をつくろう

母と子の会話 親の影響 共感の土壌をつくろう
 「人は人によって人になる」とよく言われます。
 子供は、親はもちろんのこと、幼稚園の先生、隣り近所の人たちなどさまざまな人-おとな-に接しながら毎日を送っています。
 こうした”子供を取り巻くおとな”の子供たちに与える影響は大きく、言葉遣いをはじめ、生活態度、ものの考え方・感じ方などいろいろなああらわれてきます。
 なかでも、とくに親の影響が強く、子供の性格、さらには将来さえも方向づける場合が少なくありません。
 子供は、親が口でいうより先に親の生活態度で、生きる姿勢を敏感に感じとり、自己を形成していくといわれます。
 たとえば、父が仕事に精いっぱい生きぬいている姿を、また、母が誠実に日々の暮らしを営んでいる姿を目のあたりにして、子供は自らもそのようにありたいと思い、ここに親子の一体的な感情、共感が生まれるのです。
 親が口で子供に言うことと、自らの生活態度にギャップがあるとき、子供はとまどいを感じ、時には思わしくない結果を招くこともあります。
 また、親の子供に対する影響は、親が一方的に”与える”というよりも、子供自身の”開かれた心”が相手の思いを理解しようという気持ちとなってあらわれ、自ら影響を受けていくという場合が多いようです。
 このような親子の共感にもとづく”心の経験”が、子供の成長の横となっていくようです。
 たとえば、子供は、自分が大事にされ、愛されているのを知ると「もっと愛されたい」「愛してくれる人の望みを受けとめ、そのようにありたい」と親の気持ちに応えようとし、一種の感動を伴った心の変化が起こります。
 こうして、子供は親との心の関係を深めながら、強く影響を受けていきます。
 大切なのは、共感の生まれる土壌づくりで、そのためには、子供の感受性が大きくものをいいます。
 家庭では、他人の気持ちを受け入れる”心のゆとり”、素に感動できる”心の豊かさ”をつちかうようにしたいものです。

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