低希釈法処理で無臭・無公害 し尿処理施設「長尾苑」操業
読谷・具志川・嘉手納・与那城・勝連の五ケ市町村が共同出資して建設された市町処理施設
長尾苑(中部鋭気生施設組合)は今エンジン全開で操業、私なちの日常生活から廃出されるし尿の処理にあたっています。
し尿処理施設「長尾苑」は具志川市字昆布地内に建設され、施設の面積は約四○○○坪。
長尾苑は中部関係市町村の長い夢が実現されたものです。私達が健康で活力ある日常生活を営むためには清潔で快適な生活環境の整備は不可欠の要素だとされます。ことにし尿処理についてはこれまで海洋投棄処理されてきましたが、近年、海洋汚染防止法による規制強化、近海改行の見直しなどで海洋投棄もままならず、したがって環境衛生施設の建設は重要な行政課題になっていました。しかし、億単位の建設費用は財政事情の乏しい自治体独自での捻出は余りにも負担が大きく、行政泣かせの課題でした。
その中で、同じ悩みを持つ中部五ヶ市町村が「中部衛生施設組合」を設置、し尿処理施設「長尾苑」の建設構想が具体化したものです。待望の長尾苑は関係五ヶ市町村の期待を担って堂々竣工、今では五ヶ市町村から廃出されるし尿はすべて長尾苑で処理されています。
長尾苑は最新の処理技術の総力を傾注し、ことに低希釈二段活性汚泥処理方式は全国でも初めて採用された画期的なものです。しかも臭気対策として処理機能はすべて屋内に収納し、公害対策については万全を期しています。また、屋上にはテニスコート、ゲートボール場を設置し、地域の方々に広く利用され喜ばれています。
同施設の建設総事業費は八億六千四万二千円です。その内訳は国庫補助金が三億八千四百七十二万円、起債(借入金)が四億四千九○万円、一般財源は三千四百四十二万二千円です。
総事業費の内、五一%は起債で賄われ、内三億五千八百万円は年金積立還元融資金を活用して建設されました。
※写真は原本参照