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すぐれた開花現象であり、各地域がそれぞれの地域特性に基づいて、地方社会を充実させることが最も重要な文化の培養方法であります。地方社会の充実こそが文化発展の母体であることを思う時文化論の上からも、八十年代「地方の時代」を重要視すべきであります。
読谷村立歴史民俗資料館を中心に関係者の努力と村民の協力によって、先人の遺した貴重な文化遺産の収集、保護、発掘、展示、講座の開設等を通して文化遺産を正しく継承し、次代の新しい文化創造の礎にすべく努力が重ねられてまいりました。
村民の間には、文化活動を通して、地域社会に対する深い認識と愛着の念が生れてまいりました。文化村づくりに寄せる村民の理解と協力によって、基本構想でうたわれている文化村づくりが、地道にして着実に進みつつあるのであります。今後とも村民が相協力し、新しい文化の芽を徐々に育てる環境を作る必要があります。
本村の今後の課題は、文化の担い手としての地方(地域)社会である読谷村域で文化とは何か、文化の育て方、文化の母体としての地方社会のあり方について、共通理解を深め、各分野において主体的、創造的、意欲的に実践することが必要であります。
もともと地上に道はない。歩く人が多くなればそれが道になるのです。村民が歩いたあとが道になりその道が文化となるのです。我々読谷村民も、二十世紀後半の文化の創造者という認識をもって歩いて行こうではありませんか。
今年も引き続き資料館を中心に、民話資料集(第四、第五号)、読谷村関係文献総目録の編集、更に読谷村年中行事調査、民具調査及び収集活動、読谷めぐをる針究(ハジチ)研究、文化財第四集民俗芸能)の編集等を実施いたします。復帰以来継続して進めてまいりました座喜味城跡環境整備事業を史跡公園整備事業の一環として今年も進めてまいります。
「第七回読谷まつり」は、年一度の大きな祭りであり、本村の文化、芸術、農業、漁業、商業等の発展を目指す総合的発表の場として、老若男女、全ての村民が参加し、村民相互の親睦融和を図り、読谷村の発展への原動力たらしめるための計画であります。
本村が歩んできた長い地域の歴史を掘り起こし、広く一般に紹介するために読谷村史の編纂事業を計画してまいります。読谷村史をつくることは、村民が過去の読谷村と対話することが出来るだけでなく村史の実現によって村民は自信と勇気を与えられることになります。又、人間は過去を知ることによって現在を正しく認識し、その結果、将来に対する指針を得ることが出来るのであります。この意義ある文化事業を、本年度を初年度として数年がかりで実施していく所存であります。
今度、大木区民の発意によりまして、故比嘉秀平氏の銅像建立の計画が進められております。故比嘉秀平氏は本県における偉大なる教育者であり、戦後は初代の行政主席に任命され、米軍支配下の多難な状況の中で沖縄の復興と繁栄のために御尽力されました。その御功績御労苦を称え、銅像建立の趣旨に賛同し、建立計画を助成していく所存であります。
(2)産業経済の振興のための施策
①生産基盤の整備
本村の主要な産業は、農業及び畜産業でありますが、近年、漁業等の取り組みも年々強化され、次第に産業基盤が整備されつつあります。
復帰後本県においても農業の見直しがさけばれ、真剣に農業問題が検討され、具体的な施策が進められて参りました。
沖縄の置かれている亜熱帯としての自然条件を活用し、現在の経済社会の中で、石油資源が国際問題化し、その状況は年々深刻となっている現在、本村の立地条件と地域特性を考えあわせた場合、地道であるが苦笑に所得を増やし生活を向上安定させるためには農畜水産業の振興はきわめて重要な課題であります。その方策として、土地の有効利用と現行の諸制度の活用が最も肝心であります。
本年度の主な事業は、農業の生雁基盤の整備として、
(イ)座喜味地区農村基盤総合整備事業の継続実施(六年次)は、集落内道路整備(三本)及び換地業務であります。
(ロ)渡具地地区土地改良総合整備事業(三年次)は、区画整備(六・六ヘクタール)、基幹農道、農道、排水路等の整備事業であります。
(ハ)西部連道地区土地改良総合整備事業(二年次)は、区画整理(九・二ヘクタール)、基幹農道、農道、排水路等の整備事業であります。
(ニ)中地区(渡慶次)土地改良総合整備事業と渡具知地区(団体営)灌漑排水事業につきましてはそれぞれ昭和五七年度事業採択に向け諸準備に入る計画であります。これらの事業は、農業の近代化と農村集落の健全な発展と併せて労働生座性の向上と農業所得の増大を期し、農業経営の安定を図るものであります。本村におきましても、このように各地での地域の主体的な取り組みが活発に行われております。
②長浜川ダム県営一般灌漑排水事業
本村の農家所得を引き上げ村民の生活向上を図るためには生産基盤の整備とともに農業用水の確保が最も重要となってまいります。サンゴ石灰岩を母体とした保水力に之しい本村の農地でも、村民の理解と協力によって干魃の被害をなくすことができ、自然の天候まかせの農業ではなく、農家が計画的に散水し農家所得を増大させる目的で進められているのが県営一般灌漑排水事業であります。今年度も昨年に引き続きダムの全体実施設計が行われます。この事業計画は長浜川にダムを築造し農業用水を確保するとともに水路等を設置し二八○ヘクタールの農地を対象に農業の生産性の向上を図る目的で行われるものであります。農家の皆様が戦前戦後を通しての悲願が関係地域の皆様方の深い御理解と御協力によって一歩一歩実現する運びとなりました。
長浜川ダム建設事業は読谷村民にとって正に一大事業となります。事業の実施主体は県でありますが読谷村民にとりましては「村民自体の事業」という受けとめ方をしなければなりません。本村の現在及び将来にわたって村民に喜びの慈雨と豊かな恵みをもたらすものであります。工事が完成するまでには一定の時間と全村民の御理解と御協力が必要であります。よろしくお願い申し上げます。
③第二次構造改善事業等
今年は第二次構造改善事業(四年間)の三年次に入ります。これは昭和五七年までの事業計画の認定を受け、その計画に基づいて事業が進められるものであります。
(イ)今年度の事業としては、農用地利用増進特別対策事業、地域農業の組織化及び生産性の向上を図るための農業近代化施設整備事業として、座喜味花き生産組合の共同利用温室(七・五六〇㎡)、共同利用育苗施設(三三〇㎡)、共同灌水施設(貯水池二二五t)等の施設整備により、花き生産の団地化及び作業効率化を推進し、地域農業の振興を促進する計画であります。
(ロ)本年度の水産構造改善事業は漁業協同組合の漁業生産の振興を図るため、製氷冷蔵施設整備事業を実施し、生産性及び収益性の向上と漁業所得の増大を図ってまいります。更に最近盛んになってまいりました定置網漁法は組合員の漁業所得の向上にむすびついており、今回、その振興を促すため定置網補助事業を実施してまいります。
(3)社会福祉の増進のための施策
読谷村総合福祉センターは、地域社会の福祉活動の拠点であ