昭和56年度施政方針 4本年度の実施事項 (3)社会福祉増進のための施策 (4)生活環境の整備に関する施策 (5)地場産業の育成及び商工会等への助成に関する施策 (6)読谷飛行場問題の解決促進について
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り、更に文化活動やその他諸種の活動の場として活用されております。読谷村の今後の新しい村づくりの拠点であると共に諸活動の中心的役割を果す場が総合福祉センターであります。本年度もその運営費等の助成を講じて参ります。
児童福祉施設(保育所)の整備につきましては、本村の保育所整備基本計画に基づき、昭和五五年度までに各地域への施設設置が実現いたしました。今後は措置児童の保育を通して児童福祉の増進を図っていく考えであります。
老人福祉については、一人暮し老人やねたきり老人等の在宅老人に対する地域老人家庭奉仕員による世話活動の充実を図るとともに、「老人憩いの室」を拠点に老人クラブ活動の充実を図っていく考えであります。
今年は「国際障害者年」にあたり、「障害者の完全参加と平等」をテーマに取り組んでいく必要があり、本村としても、国際障害者年日本推進協議会及び沖縄県推進協議会の推進事業に協調提携していくと共に、読谷村身体障害者の会への国際障害者年活動補助及び障害児を守る父母の会への事業補助をすることにより障害(児)者の福祉増進を図っていく所存であります。福祉の前提は村民が心身共に健康で明るい生活を送ることであります。読谷診療所が村民の医療福祉の向上に果している役割は大きいものがあります。本年度もその施設の一部を健康管理センター的に位置づけ、村民の予防接種、健康検診等の保健活動業務を行うとともに、母子推進委員等の活動を通し、村民の健康管理及び健康の保持増進問題を地域ぐるみで取り上げ健康で明るい村づくりの推進に更に努力したいと思います。
(4)生活環境の整備に関する施策
生活環境の整備は、明るく住みよい村づくりの基本的条件であり、村民の文化的生活向上と快適な暮しのため重要な事業であります。
人間生活に欠くことの出来ない水の問題は、ここ数年抜本的に解決すべく鋭意努力を重ね、水道施設は全村的に整備され、座喜味配水池の完成により給水状況は全面的に改善されてまいりました。今年度は、配水管の老朽化がすすんでいる長浜地内を主体に、古堅大湾貸住宅地域、楚辺赤犬子貸住宅地域の整備(全長五,一九五m)を行うものであります。
住民生活の根幹である道路、住及び生活環境の整備を図ってまいります。まず、旧ボローポイント射撃場周辺復帰先地公共施設整備事業(旧宇座集落)として、道路、上水道、排水路等の総合的な整備事業を進めるに必要な全体調査設計を実施いたします。村道等の整備事業として大湾線、伊良皆西線、大木南線、残波線、古堅一号線、泊城線、瀬名波地内進入路、交通安全対策事業として長浜通学路等の整備を実施してまいります。
都市計画事業は四年目を迎え、村民の憩いの場づくりとして公園緑地用地の取得事業、児童公園(牧原)建設事業を実施し生活環境の健全な発展をはかるための古堅地区土地区画整理事業を推進してまいります。
排水路改良事業は、大木幹線下水路(都市下水路)、伊良皆~大湾排水路、楚辺~都屋排水路、波平排水路、喜名排水路、排水流末沈澱池、遊水池用地取得等を計画しております。
し尿処理については、昨年中部五市町村の一部事務組合で近代的な処理場(長尾園)が完成しました。一方、一般廃棄物(ゴミ)の処理については、現在、儀間地内に処理場を確保し、それぞれの機能を活かして処理業務を進め村民の快適な生活環境づくりに努めております。
消防行政については、ここ数年消防力の強化、その充実を図ってまいりました。今年度は消防内部体制の充実、強化のための研修等をはじめ機材整備にあたり、村民の生命、財産を守るよう努力する考えであります。
(5)地場産業の育成及び商工会等への助成に関する施策
読谷村には、「読谷山花織」と「読谷壺屋焼」の二つの伝統的工芸品があり、この二つは、読谷村のみならず沖縄県民のかけがえのない共有財産であります。この伝統工芸品を本村の地場産業として、さらに定着発展させる努力を続けてまいります。
読谷山花織は関係者の努力によって地道にその育成が行われ、年々発展する方向にあり、今後とも地場産業として発展させるため助成策を続けていく考えであります。花織関係者をはじめ村民が長年待ち望んでおりました花織会館、即ち「伝統工芸共同利用施設」が今後、国、県の助成で遂に実現することになりました。花織会館を拠点に組合員の生産活動、品質の向上及び製品の改善開発、後継者の養成等々の場として活用し、先祖から受け継いだ立派な文化遺産、伝統工芸品を村民に更に浸透発展させる努力をしていく所存であります。
基本構想に基づいて進められてまいりました「ヤチムンの村」の建設も関係者の主体的な取り組みにより、昨年七月見事な読谷壺屋焼共同登窯の完成をみることができました。
今や「ヤチムンの村」の胎動は内外から大きく注目されております。製作活動も軌道に乗りつつあり、本村の目指す「人間性豊かな環境、文化村」の内実として発度しつつあることを確信するものであります。今後とも広く村民各位の「ヤチムンの村」への温い御理解と御指導を賜りたいと思います。
特殊公益法人である読谷村商工会も結成以来七年目を迎え年々発展の一途をたどっております。今後とも商工会の目指す目標に向って会員各位の主体的活動の促進と助成策を続けて行く考えであります。更に今年は商工会関係者が数年米要望しておりました商工会館(商工業研修等施設)が建設される運びになりました。会館が実現することによって、商工会の諸活動が一層充実発展し、本村商工業の振興に大きく寄与するものと確信するものであります。
二年にわたりて、つみかさねてまいりました「ムラおこしシンポジューム」の総括と成果をふまえて、本年度は、村内関係団体をはじめ、村民自身で、より具体的に問題点をまとめ、読谷村の地域内経済振興のため、実践化を目指したかたちの検討会を開催し、明日の読谷村のムラおこし、ムラづくりの原動力になるよう計画を進めて参ります。
(6)読谷飛行場問題の解決促進について
読谷飛行場問題の解決は、米軍、日本政府の両方を相手に複雑困難な問題ではあるが、困難を克服して解決しなければいけない課題であります。読谷飛行場は太平洋戦争の時、日本軍によって強制的に接収されて出来た飛行場である。従って、読谷飛行場問題は、戦争の後始末がいまだなされていない未解決の問題であります。
今日まで、地主会、村議会、読谷村の三者が一体となって強力な返還要請を重ねた結果、政府はついに一昨年「三原発言」という形で表明し、更に読谷飛行場内における米軍演習場撤去の村民要求に対しては、日米双方の外交ルートにのせ、正式に検討している現状であります。
戦争が終って三六年、沖縄が日本に復帰して十年になろうとしており、復帰十年目の今年、我々村民は先ず第一に読谷補助飛行場内の米軍落下傘降下演習に反対し、敢然と、その撤去を求める斗いを具体的に構築していく考えであります。第二に、それと並行して読谷飛行場用地の返還を求めて強力な闘いを組む考えであります。
国家が国策として必要とする