読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1981年4月発行 広報よみたん / 6頁

昭和56年度施政方針 4本年度の実施事項  (6)読谷飛行場問題の解決促進について  (7)海岸域等の緑化事業の推進  (8)国民体育大会に向けてのとりくみ  (9)職員の研修及び増員について  (10)昭和五六年度予算及び案件等について

〔253号2~5ページの続き〕

場合には地主の土地を強制的に接収し、「戦争が終れば返す」と言った約束も履行されない状況は誠に遺憾と言わざるを得ません。
 読谷村民は戦後処理を求め、日本政府に対し誠意をもって返還策を要求し、その結果によっては、今迄にない村民の英知と総力を結集した闘いを組む必要があります。
 昭和五六年度は、読谷飛行場問題の解決に向けて冷静かつ大胆に取り組む年にしたいと思います。

(7)海岸域等の緑化事業の推進
 海岸線利用計画及び保全策は本村の今後の大きな課題であります。本村の海海線は、米軍の上陸地点であり、戦後、長期にわたって軍用地に接収されていたこともあって、緑地や砂浜も皆無に等しい状態で荒廃しております。
 読谷村の一五キロメートルに及ぶ海岸線に防潮、防風林を植えることによって陸地と海岸の保全は勿論のこと潮風害から農作物を保護し、村全体が緑につつまれることになります。その為に本年度から苗畑設置事業を実施し、長期展望のもとに、海岸域の緑化事業の実現を図るため用地の選定、苗木の確保及び育苗等の準備に当る計画であります。

(8)国民体育大会に向けてのとりくみ
 昭和六二年国民体育大会の沖縄県開催は決定され、県内における主会場も沖縄市と決定された。「国民体育大会は広くスポーツを振興して、その普及及び発達とアマチュア精神の昂揚を図り、もって明朗な国民生活を建設する」のが開催の趣旨であり、大会要綱の最初に「一日も早く民主国家を再建することは戦後におけるわが国民の責務である」とうたわれています。
 第一回大会は、昭和二一年十一月京都府を中心に行われたが、その日的は、スポーツの振興と民主国家建設でありました。
 各部道府県の最近の開催状況を見ると、大会までの準備期間に十年以上の歳月をかけているのが実情であります。昭和六二年国体といいますと、大会二年前の昭和六十年までには、競技場等、大方の準備は出来上っていなければなりません。そのように考えますとあと、五年しかありません。短期間での準備は、県内各市町村に大きな影響を与える結果になりましょう。
 本村は屋外競技種目のソフトボール(少年の部)を希望種目として県国体準備事務局に申請してあります。その理由としましては、村内にはソフトボール人口が多く公認審判員も数多いこと、さらに本村の少年のソフトボールは全国的にも高いレベルにあることから青少年に夢と希望をもたすためであります。
 本年度から国体準備室を設け、国体に向けての準備体制の初年度として出発させる考えであります。

(9)職員の研修及び増員について
 ムラづくりの主人公は村民でなければなりませんが自治体に働く職員はムラづくりの先導的役割を果す必要があります。そのような意味で、本土の先進自治体に一定期間職員を派遣して研修を深めさせる目的で職員研修を実施してまいります。
 職員の増員につきましては、国体準備室一名、出納室一名、農地改良課二名で四名の増員を計画しております。
 国体準備室については、国体に向けての担当部署の新設で、国体の基礎準備及びその態勢づくりを推進していくものであります。
 出納室については、一般会計及び三つの特別会計り予算規模が年々増大してきたことによる伝票件数の増加、村民をはじめ村外の債権者の利価のための振込事務の増大等々で出納関係の専務を掌るのに収人役を含めた現在の三名の陣容ではもはや対応しきれない状況であり、一名の増員を計画しております。
 農地改良課については、返還軍用地の跡地利用としての土地改良作業と長浜川ダム建設の業務を拠出しておりますが、五六年度の具体的業務として(イ)座喜味地区農村基盤総合整備事業、(ロ)長浜川ダム建設事業、(ハ)渡具知地区土地改良総合整備事業、(ニ)西部連道地区土地改良総合整備事業(ボローポイント)、(ホ)渡慶次地区土地改良総合整備事業(ボローポイント、五七年度採択に向けての準備)、(ヘ)渡具知地区灌概排水事業(五七年度採択に向けての準備)等の膨大な業務量になり、もはや現在の陣容では対応しきれず、二名の増員を必要と致します。

(10)昭和五六年度予算及び案件等について
 昭和五六年度予算編成に当たりましては、今まで申し上げました施策を重点に編成をして参りました。
一般会計予算
三九億六千八百三十三万一千円
水道事業会計
 四億六百十万九千円
国民健康保険特別会計
 七億六千三百五十八万四千円
診療所特別会計
   八千四百六十八万六千円
であり四会計で五二億二千二百七十一万円規模の予算になっております。
 最後に本村のかかえております諸問題解決のため、議員各位の一層のご協力、ご指導をお願い申し上げ、昭和五六年度の施政方針といたします。
 昭和五六年三月十二日
 読谷村長 山内徳信

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