十六名の織子巣立つ 読谷山花織後継者育成講習会修了式
伝統的工芸産品・読谷山花織の織子の養衣をめざして開かれていた昭和五五年度読谷山花織後継者育成講習会の閉講式が去る三月三日午後二時から中央公民館ホールで開かれました。今期修了生は十六名、全員が六ケ月間の講習過程を終了し、読谷山花織の織子をめざして巣立ちました。
この日の閉講式にはほとんどの修了生が自ら織りあげた読谷山花織の着物を着付け、華やいだなかで行われました。式は開式のことばにつづき池原ケイ子読谷山花織事業協同組合理事長のあいさつをうけました。そのあと新垣隆専務理事から経過の報告がありました。報告のなかで、昨年九月一日の開講式のあと読谷山花織の基本技術習得を手はじめに、帯地応用技術を習得するまでの六ケ月間について克明に指導経過の報告がありました。それぞれの修了生は一人前の織子をめざして巣立ち、これまで育てあげた講師たちへ感謝の心を深くしてお礼し、なかには涙してお礼を語る修了生もみられました。
修了証援与のあと、具志堅ひろみさん(楚辺)は「長くして短かい感じの六ケ月間、読谷山花織に接し生きた糸との出合い、悪戦苦闘のなかではじめて読谷山花織を織りあげたよろこびは感激でいっぱいでした。これからはプロフェッショナルとして読谷山花織をしっかりと守り育てます。」とあらたな決意を語っていました。
読谷山花織は通産省指定の伝統的工芸産品で、本村の地場産業として位置づけがなされています。同後継者育成講習会は六ケ月間の修了期間で毎年開かれ今期で四期目の終了生を送り出しました。現在、村内には一七〇名の織子がいてそれぞれの工房で読谷山花織、ミンサーなどの着尺、帯地、手巾、テーブルセンターなどが織り上げられ、その生産高は九千万円にも達し本村の地場産業としてすっかり定着しています。
(写真)今年も十六名の読谷山花織の織子が巣立ちました。読谷山花織は県外でも人気を呼ぶようになり、その需用は年ごとに高まっています。
※写真は原本参照