読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1981年5月発行 広報よみたん / 6頁

作柄不良だった今期のさとうきび 生産高は二万トン 読谷村さとうきび生産高の推移 55/56年期さとうきび生産者ベスト10

作柄不良だった今期のさとうきび 生産高は二万トン
 読谷村農協は去る四月二四日午後五時から中央公民館ホールで今期さとうきび搬出終了につき「祝満産」を開きました。これは、今期さとうきび収穫の無事終了を祝い、来期への増産を祈願するためのものです。満産祝は村内きび生産農家多数が出席して開かれました。席上、玉城真順組合長は「今期さとうきび搬出も無事終り大変ごくろうさまでした。今期は作柄も不良で農家の皆様は大変ご苦労なされたことでしょう。来期の増産に期待し、明日からの農作業に頑張って下さい。」とあいさつし、八○日余りにおよんださとうきび搬出作業の労をねぎらいました。
 実績報告のあと、百トン以上多収穫生産農家六名に表彰状が贈られました。満産祝の席は、不作の年とあって、農家の顔はちょっぴりさえませんでした。それでも来期に増産を期待し、くるま座になって酌み交わす酒は、さとうきび談義で花ざかりでした。
 先に読谷村農協がまとめた今期さとうきび生産実績調べによると、今期の生産実績は二万十八トンです。作柄不良とあって昨年より八千五百九十五トン少なく、実に四三%も減少しています。本村におけるさとうきびは昭和四九年~五〇年期以来、作付け面積・生産高ともに着実な伸びを見せていただけに、今期は一転してマイナス値となり関係者に大きなショックを与えています。また、平均反収も著しく減少しました。昨年期比で一、七四〇kgも少ない四、四六〇kgになっています。この数値は、昭和三八年~三九年期のワースト記録につぐ結果になりました。
 つぎに、個人別生産高についてみると、昨年期三十三名いた百トン以上生産農家は今期は六名に著しく減少しました。また、四〇トン以上生産した農家もかなり、減少し、今期は生産者の一割強という結果になっています。
 ともあれさとうきびは沖縄県の基幹作物です。近年の農業見直しが進む中で、わが国の甘味資源対策のなかに優位性に立地する我が沖縄です。だが旧態依然のさとうきび作りでは期待する程の増収はのぞめません。なかでも、本村の土壌は通称マージ土質といわれ、保水力に乏しく、必らずしも肥沃な土地とはいえません。そのため、ちょっとした旱魃でも農作物に悪い影響を及ぼします。こうした自然天候まかせの農業が続く限り、農業経営の進展は望めず、抜本的な土地改良事業、農業の経営改善は急がなければならないものだといえます。
 尚、今期さとうきび生産高ベストテンは次の通りです。来期も増収に頑張って下さい。

※表「読谷村さとうきび生産高の推移」、「55/56年期さとうきび生産者ベスト10」は原本参照

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