5ヶ月で123トンの水揚げ高 読谷漁協・大型定置網漁
昨年五月「漁家の経営改善、より豊かな漁場の開拓」をめざしてスタートした読谷漁協(古堅宗和組合長)の自営事業「大型定置網漁」は、その後着実な実績をあげている。
読谷漁協まとめによる昨年創業以来の漁獲実績は五ヶ月間で一二三トン、全額にして三七八二万円の収益をあげた。五ヶ月という短い操業日数で、所定の予想高を軽く突破、時には豊作貧乏なときもあって、うれしい悲鳴をあげたこともある。
定置網漁は黒潮にのって回遊する魚を中心に漁獲、その種類は三○種類をこえる。なかでもグルクマー、カツオ、アイゴ、グルクンは回遊時期ともなれば数トン単位で網に入るといい、漁師の顔は一段と明るさをみせる。だが、豊漁のあまり、価格は下落「どうにか出荷調整できないものか」と真剣に腕を組んで考え込む漁師も多い。
今年の五月もカツオ、アイゴを中心にかなりの水揚げがあった。時には一日、五トンの水揚げも。古堅組合長は「バランスのとれた漁ができれば良いのだが何せ、回遊魚が相手とあってどうしても量の多い日と少ない日がある。今後は販路の拡大と出荷調整を考え、漁家の経営改善を図りたい。」と話していた。
読谷漁港の大型定置網はイナンビシの沖合、約四○メートルの水深に仕掛けられている。この一帯は東支那海を流れる黒潮にのって数十種の群れなす回遊魚が往来する。仕掛けられた定置網は好条件下に位置するとあって、回遊魚は一網打尽、夏場の台風シーズンを除けばかなりの稼労日数になるという。
尚、読谷漁協は漁業権海域に二張の定置網漁業権をもち、今後、後継者を育成するなかで定置網の数を増やしていくことにしている。
※写真は原本参照