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1981年7月発行 広報よみたん / 3頁

非核三原則堅持と核兵器基地反対に関する意見書

非核三原則堅持と核兵器基地反対に関する意見書
 ライシャワー元駐日米大使は、先般「60年安保の改定時に日米両政府には核兵器持ち込みについての口頭了解がなされていた」との重大な発言を行ない、また、これに続く元米高官等の一連の核兵器に関する発言は、県民を大きな不安におとしいれている。
 これらの発言によって、核兵器の持ち込みはないという従来の政府見解がくつがえされたことになり、これまで国是としてきた非核三原則が侵害されていることを意味する。
 とりわけ沖縄県には在日米軍基地の53%が集中し、極東最大といわれる嘉手納空軍基地によって日常的に派生する爆音等の基地被害に加えて、核兵器の存在の疑惑と脅威にさらされてきたのであり、このたびのライシャワー発言等は、このような県民の不安と恐怖に拍車をかけた。
 沖縄の施政権返還の際、核抜き本土並み復帰が強く主張されたにもかかわらず核兵器の存在への疑惑は贈れないまま今日に至っている。
 かって、ラロック退役元海軍少将は、米議会において「艦船が日本に寄港する際は核兵器を降ろすようなことはない」と証言し、今日さらにこれを追認している。このことからみても、沖縄基地に頻繁に寄港する原潜や原子力艦船、またはB-52等の航空機が核兵器を持ち込んでいる疑いはきわめて高い。
 われわれは言語に絶する戦争体験を有し、世界で最初に原爆の被害を受けた日本国民の一員として、また戦後27年の長期にわたって米軍支配の下で回申吟したものとして、平和を希い、核兵器の被害による人類絶滅の危機を救う道として、核兵器の廃絶を心から訴えるものである。
 よって、今回のライシャワー発言等に見られる核兵器の日本持ち込みに関して、日米両政府に対して厳重に抗議するとともに、次のことを強く要請する。
  記
1.政府は、国是たる非核三原則(核を持たず、つくらず、持ち込ませず)を順守すること。
2.政府はライシャワー発言等の真相を究明し、われわれの核兵器に対する不安と疑惑を解消すること。
3.沖縄に存在する一切の核兵器関連施設、部隊等を速かに撤去させること。
4.B-52核戦略爆撃機の嘉手納基地への飛来を認めないこと。
5.政府は、嘉手納基地を使用しての核兵器にかかわる一切の軍事演習を行なわさせないこと。
 以上、地方自治法第99条第2項の規程により意見書を提出する。
  昭和56年6月6目 沖縄県中頭郡読谷村議会

あて先
 内閣総理大臣
 外務大臣
 防衛庁長官
 防衛施設庁長官
 駐日米国大使
 嘉手納空軍基地司令官

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