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1981年9月発行 広報よみたん / 10頁

琉球松が全滅の浮き目に「マツクイムシ禍」猛威ふるう

琉球松が全滅の浮き目に 「マツクイムシ禍」猛威ふるう
 一、二七七本!何の数字だかしっていますか?そうです、本村で枯れてしまったマツクイムシ禍による琉球松の本数です。(軍用施設内は除く)
 マツクイムシ禍は昨年につづいて今年も猛威をふるい、枯れてしまった松は昨年の三倍にも達しています。松を食い荒らす元凶、マツノザイサンチューを防除するには、これといったてだてはなく、どうにも止まらないという実情のようです。
 マツクイムシ禍の被害は広がる一方です。なかでも軍施設内の松は見るも無惨な姿をさだけだしています。本村では、高志保与比原一帯(旧製糖工場跡)が集中砲火をあびた格好で被害松は多い。さらに飛火し、座喜味城跡公園内でもすでに二十三本が枯れて切り倒され、さらに広がる様相に関係者は対策に懸念です。
 一方、喜名児童公園、波平井之原児童公園の樹齢二○○年以上の老松も無惨に枯れてしまった。このままでは琉球松は全滅するのではないかと心配される向きもでています。
 防除の妙案はないものか。役場経済課ではその対策に懸念です。だが、目に見えないマツザイノセンチューが相手とあって防除対策は五里霧中のようです。マツノザイセンチューはマツノマダラカミキリムシが中間宿主です。マツノマダラカミキリムシが移動することによって、マツノザイセンチューが松に宿り、樹液を吸い枯死させます。
 マツクイムシ禍を最小限にくい止めるてだては、被害松を切り倒し焼却することが懸念の対策だといわれます。だが険しい山林での伐採作業は困難をきわめ、遅々と進まぬ作業に苦慮しています。
 マツクイムシ禍、どうにかならないものか。数百年、数十年大地に緑なしてきた松が、ひとときにして枯死の浮き目に。どうにもやりきれない気持です。
(写真)猛威をふるうマツクイムシ禍。喜名児童公園。

※写真は原本参照

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