部落の文化遺産を大切に共同井戸に石碑を建立-座喜味老人クラブ-
部落の文化遺産を保存し、後世に語り継ごう-と座喜味老人クラブ(山内勝次郎会長)では去る九月六日、同部落内にある八ケ所の共同井戸(二ーブガー)に手づくりの石碑を建立しました。
これはその昔、座喜味部落の生活用水として水ガメの役目を果たしてきた部落の共同井戸を大切に保存し、万一の水事情に備えると共に、忘れ去れようとしている部落の文化遺産を保存して後世に受け継ごう。とのねらいで石碑は建立されました。
石碑の建立は一年前から計画され、石材はクラブ員が手わけして探しあてたものです。なかには重さ二〇キログラムの重い石材もあり、碑文も老人たちがのみをふるって刻み込んで仕上げられました。
建立の場所は部落内のニーブガーでジヨーガー、モーガー、テランガーなど八ケ所です。それぞれの共同井戸は、ひと昔前部落の水ガメだったとあって、今でも澄みきった湧水が吹きあふれ、その昔から水枯れした事はなかったと老人たちは話していました。
なかでも座喜味城跡のふもとにあるウエーガーは神霊の域として知られ、その湧水をハシカを患った子供に与えると三日目にしてピタッと治るとの言伝えがあったといいます。老人たちの中にはウエーガーの湧水を口にふくみ、その昔を懐かしがる老人の姿もみられました。
建立作業には約二〇名の老人たちが参加し、うっそうと繁った雑木を切り払いながら作業を進めていました。
※写真「部落の文化遺産を大切にと石碑を建立する座喜味老人クラブ」は原本参照