読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1981年10月発行 広報よみたん / 8頁

そんちょう日記 №2 読谷村長山内徳信

そんちょう日記 №2 読谷村長山内徳信
 これは「そんちょう日記」No.1の続きであります。
 安孫子自治大臣が、読谷村総合福祉センターから、座喜味の花織工房(前之田)へ向おうとして車に乗られた時、仲宗根総務課長が、大臣の側近に、「大臣のそばに、うちの村長を乗せ、道々説明を申し上げたいのですが……」と云うと「どうぞどうぞ」と側近は、気軽に車をかわって下れた。私は、車の中で大臣に色々と話しを申し上げる機会が出来たことに感謝した。
 読谷山花織組合のメンバーや座喜味の方々が、前之田の工房(島袋秀)で迎えて下れた。前之田の中庭に展示されている花織は、温かみがあって一段と美しかった。与那嶺貞先生が大臣へ説明して下さった。伝統工芸品である読谷山花織は中庭の緑とマッチして、さすがに美しかった。それにも増して、花織関係者と周囲のおじいさんおばさん方の温かい歓迎の心意気は、美しく清らかであった。
 大臣は工房を後に「やちむんの里」に向おうとして車に乗ろうとなさった時、道の側に立っているおじいさん(三良山城ミーヤー喜喜友名賀真、86才)に気づき、「ありがとうございます。いつまでもお元気で……」と、賀真おじいさんと握手を交わされた。
 やちむんの里の入口の方で全体的な説明をした。「読谷村の文化村づくりの一拠点です。南の方に金城次郎という沖縄の名陶工がいらしゃいます。こちらには金城、玉元、山田、大嶺という若い陶工の皆さんがおります。これが九連房の共同登窯で、沖縄で一番大きなカマです。建物は沖縄の気候風土にマッチするように創意工夫されております等々」説明。
 大嶺氏の作業場を訪ねられた。大臣は陶土のこと、沖縄のロクロは何故左まわしなのか等々、専門的なことをきかれた。
 限られた時間ではありましたが、大臣は、読谷村の文化村づくりに共感をおぼえられ「歴史と伝統をふまえ、郷土の特性を生かした村づくりが、自治の基本であります。これからも村民と共にしっかり頑張って下さい。」と励ましの言葉を残して帰られたのであります。
 今回の自治大臣御一向を迎えるに当って、どこからの制約も受けずに、それこそ読谷村の自主、主体的に、しかも創造的(知恵を出し合って)に、「ゆんたんじゃの味」を出して迎えたつもりであります。
 遠来の客には、「読谷の味」を味わってもらうことが最高のもてなしだと思います。ふるさとを愛し、ふるさとの味に誇りをもち、ふるさとの味で客を迎えようではありませんか。

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