手足の不自由な子どもを育てる運動11月10日~12月10日 温かい手をさしのべよう
手足の不自由な子供-肢体不自由児とは、病気が原因で手足や背骨の機能に障害のみられる子供たちです。
原因としては、脳性マヒ、筋ジストロフィー、ペルテス病などがあげられますが、なかでも脳性マヒによるものが多くなっています。
脳性マヒは、脳の一部に損傷があるため、手や足が不自由になる病気で、重いときは視力や知能の低下など、二重、三重の障害を伴います。
傷もないのに手や足が不自由であるとか、知能が発達しないなどの状態を、「先天的なものだ」という人もいるようですが、脳性マヒは、妊娠中や出産前後の病気や事故によって起こるものです。
たとえば、妊娠中のお母さんが「妊娠中毒症」や「風しん」にがかったり、トキソプラズマという寄生虫に感染して、脳に障害のある子供が生まれることがあります。また、難産のため赤ちゃんが酸素不足になって脳に損傷を受けるほか、お母さんと赤ちゃんの血液型不適合で黄疸にかかった場合にも起こります。
脳性マヒなど、大脳に障害を持った人々は、それ自体を根本的に治すということはできません。しかし、不自由な手足を動かし、適切な訓練をすることで手や足に”命令”を伝える別のルートが生じてくる可能性があります。この別のルートを探したり、機能の回復を図るためにリハビリテーションなどの訓練が行われています。
こうした障害に、早期発見、早期治療が効果的であるのは、いうまでもありませんが、訓練を行う専門職員は、まだまだ不足しています。
ことしは「国際障害者年」。また十一月十日から十二月十日までは「手足の不自由な子どもを育てる運動」が行われます。障害に対する理解を深め、できる限りの協力をすることは大切なことです。
障害を持つことは、決して他人事ではなく、わたしたちのだれもが障害者の立場になる可能性を持っている-といっても言いすぎではありません。障害者問題を身近な問題として考えるとともに、この運動に参加してみませんか。