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1982年1月発行 広報よみたん / 2頁

新春を迎えて 読谷村長山内徳信

新春を迎えて 読谷村長 山内徳信
 村民の皆様!明けましておめでとうございます。謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
 中国の陶淵明(トラエンメイ)の詩に「光陰矢の如し、歳月人を待たず」と云うものがあります。誠に年月のたつのは早いものであります。
 一九八一年(昭和五六年)ともお別れして、新しい年八二年の新春を迎えたのであります。
 内外共に、多事多難の八一年でありましたが、今年は、村民の皆様にとりまして良い年になりますよう、心から祈念申し上げる次第であります。
 読谷村政を進めるに当り、昨年も議会をはじめ各団体、村民各位の御理解、御協力、御支援によりまして、諸計画を進めることができました。村民共通の目標であります「人間性豊かな環境・文化村」づくりが、更に前進をとげた年でもありました。
 新年を迎えるに当り、村民各位に心から敬意と感謝の意を表する次第であります。併せて、今年もよろしく御指導、御鞭撻の程お願い申し上げます。
 劉延芝(リュウテイシ)の詩に「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」と云うのがあります。これは年が変っても春に咲く花には変化はないのだが、人間は年々トシをとっていくものである。と云う意味でありましょう。それだけに人生を大事に、過ぎゆく時を惜しみ、一年一年を有意義に悔のないように過ごしたいものであります。
 村民の皆様には、八二年も新たな希望と決意に燃え世の荒波にも屈せずたくましく生き抜かれますようお願い申し上げます。
 村民の皆様!世界において情熱なしに成就(ジョウジュ)された偉大なものは決してありませんでした。
 村民の皆様、世の中の偉大な仕事は、それにたち向う人間の真剣な情熱なしには完成し得ないものであります。例えば、泰期(タイキ)が一三七二年に初めて長浜港から中国へ貿易に行く、赤犬子は沖縄の吟遊詩人として地方をまわり、歌と三線(サンシン)の普及に貢献する。目を外に転ずると、新大陸の発見も、地動説も、南極探険も、詩も名曲も、名画も、ありとあらゆる人類の遺産は、すべて人間の不屈の情熱によって成し遂げられたものであります。情熱はすべてのものを動かす原動力であり、その情熱とは、人間の理性に裏づけられた精神の発露であります。
 読谷村民が歴史の批判に耐え得る村づくりを進める場合、さけては通れないものに「読谷飛行場問題」の解決があります。現在、米軍の演習場になっている為その撤去を実現するには、世界一強い米軍、それに日本政府、警察機動隊等を相手にした撤去闘争は日常的に展開されており、大変な闘争であります。これは正に、人間的な闘いが必要であります。
 今年は、全村民の御理解御協力によって読谷飛行場問題の解決の年たらしめるべく、皆さんの一層の御奮闘を期待申し上げるものであります。
 村民の皆様!平和にまさる福祉はありません。一人びとりの努力によって平和な社会を……。
 私は最近、ものを書いたり、人に話しをする場合必ず”平和”の問題にふれるようにしております。それは平和がおびやかされているからであります。人類が危機にひんしているからであります。
 日本における非核三原則はくずれつつあり、アメリカのレーガン大統領は、十一月、二度にわたって「米ソ間の全面核戦争を抑止するためにはヨーロッパでの限定核戦争はありうる」と語った。今、ヨーロッパでは戦後最大規模の反戦運動が展開されております。世界の強国が徐々に戦争の方向へ流れていくことを私達はだまってみすごすことは出来ません。
 日本国民は世界最初の「原子爆弾」の被爆国民であり、沖縄県民は日本国内唯一の陸上戦の悲惨な体験者であり、そのことを忘れてはならないと思います。
 平和は人類最高の理想であります。その輝しい理想の実現の為に、日本国憲法と平和を守りぬく決意で頑張ろうではありませんか。
 おわりに村民各位の御健康と御多幸を飲念申し上げ、新春の御挨拶といたします。

※写真は原本参照

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