特集新学期を控えて 新入学(園)児の交通事故を防ごう
新学期は、子供の交通事故が必配される時期でもあります。特に行動範囲がグッと広がったり、新たに自転車を利用し始めたりする新入学(園)児については、これまで以上に十分な注意が必要です。
子供の行動特性を知ろう
道路にいきなり飛び出してくる子供にハッとさせられることがよくありますが、子供は時として大人が想像もつかないような行動をとり、事故につながることも少なくありません。子供を交通事故から守っていくためには、まず、次のような子供の特性を十分理解する必要があります。
▲子供は、一つのことに注意が向くと、周りのものは目に入らなくなる。
▲子供は、物事を単純にしか理解できず、考え方も自己中心的になりがち。自分が黄色い旗をあげれば、車は必ず止まってくれるものと思い込みがちである。
▲子供は、応用的な動作ができない。いつも通る道では交通ルールは守れるが、知らない道では守れない。
▲子供は、[あぶないよ」とか[注意しなさい」というような抽象的な言葉だけではよく理解できない。具体的な行動を通じて理解させる必要がある。
▲子供は、大人や年上の子のまねをする。
▲子供の視点は大人よりも低い。駐車中の車などがある場合、大人には先を見とおせても、子供には見えないことがある。
実例をあげ具体的な指導を
子供の交通事故を防止するには、子供の特性を理解した上で、次の点を具体的に指導していくことが大事です。
①実際の通学(園)時間に合わせて、保護者と児童が実際にその通学(園)路を何回か通って、信号機、道路標識の見方、横断歩道の正しい渡り方を指導する。
②寝る前に翌日の準備を済ませるよう習慣づける。また、登校時間に余裕をもたせ、忘れ物がないかどうか登校前に必ず点検するよう習慣づける。
③帰宅後、遊びに行ってよい範囲や帰宅時間などを、自宅からの距離や交通環境を考えて決め、子供にしっかり守らせるよう指導する。
④子供に自転車を利用させる場合には、子供の年齢、体力、能力などを考えて体に適した自転車を選び、また、乗る場合は必ず点検するように指導する。
⑤自転車を安全に利用させるには、まず、空き地や公園など安全な場所で、安全な乗り方、特に正しい止まり方と交差点の安全な渡り方を十分に教えてから、徐々に道路になじませるようにする。また、道路環境や交通量を考慮して、自転車に乗ってもよい区域、時間などを指定して利用させる。そして、決めたことについては必ず守らせるとともに、子供がふだんどのくらい自転車を利用しているかを把握して、事故防止に努める。
子供の交通事故を防ぐには、以上の点をよくわきまえるとともに、わが子の性格をよく考え、日常生活のなかで具体的に指導していくことが重要です。