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1982年2月発行 広報よみたん / 8頁

館内を圧倒「動く美術館」来年もぜひご覧ください

館内を圧倒「動く美術館」 来年も開催ぜひ、ご覧ください
 動く芸術館-現代日本洋画壇秀作チャリテー展及び沖縄を描く本土・沖縄選抜作品展が去る二月十三日から十八日までの六日間中央公民館ホールで開かれました。こうした種の展覧会は村内で催されることは少ないとあって初日から多くの参観者が押し寄せ、連日盛況を呼びました。
 同展覧会には大はブーゲンビリアの花を描写したF百号(167cm×130cm)の「花群映」から、小は「サンダンカ」を描いたFゼロ号(18cm×14cm)まで二六五点が展示されました。いずれの作品も現代日本画家の作品と合って越大作ぞろい。なかでも、わが国の近代洋画壇に欠くことのできない卓越した巨匠として知られる故・浅井忠氏(明治四○年没)の遺作「ふくろう」も特別出展され、参観者の目を楽しませました。また同展は、沖縄を描く本土・沖縄選抜作家展も兼ね、沖縄を題材とした作品「残波岬」(増田常徳・作)をはじめ「南の海・サバニ」「守礼の門」など三○点も出展され、参観者の注目をあつめていました。
 同展覧会には村内の小中校は振替授業で参観するなど、終日長蛇の列をつくりにぎわいました。「動く美術館」は全国的に有名で一睡の余地もないほどに二ヶ年先のスケジュールまで組まれています。県内では本村のほかに那覇市と沖縄市で開催されました。動く美術館の運営委員長で美術評論家でいらっしゃる川島博氏は本村での開催について「美術作品を鑑賞して親しむことにより人間の心はおのずと豊かになるものです。同展に多くの児童生徒が美術に接し、そのことはこれからの人間形成に大きく役立つことで、学校教育の熱意が伺えます。こうした地道な配慮が文化村づくりに大きな原動力になるものです。山内徳信村長のユニークな村政に、いたって共感をおぼえました」と話していました。また川島氏は、バイタリティーに行動する山内徳信村長の文化村づくり構想に深く感動し「読谷村の文化村づくりにこれからも協力して行きたい。来年は規模を大きくした動く美術館にしたい。」と来年も本村で動く美術館を開くことを約束なされました。
 一方、川島氏は十七日の午後七時から動く美術館内で「高松塚古墳考察と現代美術」と題して特別記念講演を行い、多くの村民が美術との係わりに接しました。

※写真「連日盛況を呼んだ「動く美術館」来年も開催ご期待下さい」は原本参照

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