読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1982年4月発行 広報よみたん / 3頁

日本の平和憲法の理念に基づき 反核、反戦を貫き平和を遵守する「平和の宣言」を行う 昭和57年度施政方針読谷村長山内徳信 はじめに

〔264号2ページの続き〕

られて来たか。日本政府はその実態を把握し、主体的に対処してはじめて独立国家と言えるのではなかろうか。米軍の「目に余る横着な演習」と基地被害並びに演習被害は県民感情の許容限度を超えつつあるのが最近の状況であります。『踏まれた者の痛さは踏んだ者には分らない』という言葉がありますが、安保条約や地位協定が沖縄県民の生活権、幸福権、環境権より優先されることがあってはいけないということであります。
 基地の島沖縄は、内外の政治及び軍事情勢の影響をもろに受け、県民の生存そのものが不安にさらされている島であるという自覚的現状認識が必要であります。人類は今や力の政治論と核戦争の危機に瀕しているといっても過言ではありません。我々は再び戦争に巻き込まれることがあってはなりません。第二次大戦中、多くの国民が国策に追従した愚は繰り返してはなりません。人間として生き抜くために戦争につながる改憲論や軍備増強、自衛官募集業務等を拒否し、沖縄戦の悲惨な体験を教訓にして、日本の平和憲法の理念に基づき、読谷村民は再び中外に向って声高らかに「平和の宣言」をするものであります。
一、我々は反核、反戦を貫き、平和を守り、人類の存続、文化の発展のために奮闘する。
一、我々は、我々と我々の子孫の幸福をめざし、平和な社会を築くために奮闘する。
一、我々は、(身近なより具体的な問題として)読谷飛行場内における一切の軍事演習に反対し、敢然とその撤去を求めるものである。更に同用地の返還問題は戦後処理を求める人間的な闘いであり、平和で明るい豊かな村づくりのため、一層の団結の下に村民主体の歴史的な闘いを構築し奮闘する。
 以上のことを村民とともに決意するものであります。今や大国の力による「限定核戦争論」によって人類滅亡の危機の時代に入ったと言っても過言ではありません。将来の核戦争には勝敗はなく、あるのは人類の滅亡のみであります。平和に勝る福祉はなく、平和は人類最高の理想であります。理想に向って最善の努力をするのが人間の崇高な使命であり、道徳的行為といわなければなりません。我々は唯一の核被爆国である日本国民として、又、日本国内唯一の陸上戦の悲惨な戦争体験を有する沖縄県民として反核運動の世論を盛り上げると共に地域にマッチした「反核運動」をつくり上げていく努力が必要でありましょう。
 一方、復帰後の沖縄振興開発の為に制定された沖縄振興開発特別措置法が更に十年間延長されることは誠によろこばしいことであります。本村の諸施策もこの法律に基づいて推し進めてまいりました。その結果、社会資本の整備、学校教育施設の整備、生活環境の整備、生産基盤の整備等々一定の成果を上げてまいりましたが、今後とも時代の進展に即応しつつ将来への展望に基づき本村の社会的、経済的、文化的基盤の整備を更に進めていかなければなりません。
 読谷村の村づくりは、日頃申し上げておりますように二十一世紀に向けての村づくりであり、ふるさと読谷のもつ地域特性を活かしたものでなければなりません。そこで最も大切なことは、村民が絶えず歴史の教訓に学び安易な時流に流されることなく、地方の時代にふさわしく地域に立脚した「自治の精神」に基づいて「村民の村民による村民のための地方自治」を主体的に確立することが必要であります。これからも村民ひとりびとりが地方の時代のもつ意味を十分に理解し「人間性豊かな環境・文化村」づくりに自信と誇りをもち、村民の先見性と主体性、思想性、芸術性、政治性に裏打ちされた思考と実践が必要であります。
 復帰後から今日まで、主として村民の生活、生産および教育基盤の整備、いわゆる器づくりを中心に施策を進めてまいりましたが、これからはキメ細かい内容とその充実強化を図りつつ、同時に本村の将来に向けての思い切った施策を展開する年度にしたいと思います。児童生徒や青年を含めた全村民が夢と希望を抱いている「残波岬地域の開発整備事業」め推進をはじめ、「読谷飛行場用地の跡地利用計画の策定」、「農業後継者育成資金貸付基金の設置」「北と南(北海道と読谷)の児童生徒の夢とロマンを実現する交歓会」等々を新規事業として推進していく計画であります。これらの諸事業は将来の読谷村の文化村を支える重要な要素となり拠点になるものと確信するものであります。また、生活環境の整備、生産基盤の整備、地域福祉、地域の教育文化、その他の施策を一歩一歩前進させる為、今年度も村民の英知と協力の輪を広げ、清新、活力ある村づくりを進めていく考えであります。
 昭和五七年度も議会の皆さんをはじめ、村民各位の積極的な御指導、御協力を仰ぎつつ村政を進めていく所存でございますのでよろしくお願い申し上げます。

※写真「読谷村議会村民良識の府と知られ、活躍されています」は原本参照

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。