日本の平和憲法の理念に基づき 反核、反戦を貫き平和を遵守する「平和の宣言」を行う 昭和57年度施政方針読谷村長山内徳信 本年度の実施事項 社会教育並びに体育の振興 文化財の保護と文化運動の展開 産業経済振興のための施策 生活基盤の整備
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を実施し、これらの事業を通して村民の豊かな情操、郷土愛、地域連帯意識の高揚、住民自治の確立をめざすものであります。
婦人団体は地域の諸活動の原動力的存在であり、婦人の果す役割は重大であります。社会的教養と資質の向上を図るため、婦人三層活動の充実に配慮しつつ、婦人学級、乳幼児学級、リーダーの養成等の研修会を実施してまいります。また、老人クラブの高令者学級、成人男子の成人学級、社会教育振興大会等の事業を実施してまいります。
社会体育の面では、基礎体力づくりのためのスポーツ振興事業を計画し、各種スポーツ教室の開設や研修会を実施するとともに諸スポーツ大会(年間6大会)の開催、あわせてスポーツテストの実施、スポーツ相談室の設置、学校体育施設開放事業、運動広場の管理運営、勤労者体育センターの開放事業、運動広場のナイター施設の設置により村民のスポーツ活動を幅広く振興してまいります。
これらの諸事業を通して、村民の社会的教養の向上と体力の増進を目指すとともに地域住民の連帯と協調の輸を広げ、明るく住みよい健康な村づくりに貢献するものであります。
文化財の保護と文化運動の展開
人間社会の営みのすぐれた開化現象が文化であります。各地域がそれぞれの地域特性に基づいて地域社会を充実させることが最も重要な文化の培養法であります。
地方社会の充実こそが文化発展の母体であり、本村が読谷ルネッサンスを軸に二十一世紀に向けての新しい文化村づくりを提唱するゆえんもそこにあります。
先人の遺した貴重な文化遺産の収集、発掘、展示、保護、研究等が読谷村立歴史民俗資料館を中心に関係者の努力と村民の協力によって年々進展し、文化遺産の正しい継承と次代の新しい文化創造への礎が築かれてまいりました。村民の間にも文化活動を通して地域社会に対する深い認識と愛着の念が生まれ村づくりの精神的エネルギーが蓄積されてまいりました。今後とも村民が相協力し、新しい文化の芽を育てること、即ち文化の土台を築き上げていく環境づくりが重要であります。
このような活動を各分野(各団体)において、主体的、創造的、意欲的に実践することが必要であります。現在の村民は、二〇世紀後半の読谷村における文化の創造者という認識をもって歩いて行こうではありませんか。村民が歩いたあとが道となり、その道がやがて文化となるからであります。今年度も引き続き資料館を中心にして民話資料集(第5号)の発行及び民話の調査を実施し、さらに読谷村年中行事の調査、民具調査及び収集活動、古堅民俗調査等を実施いたします。また、昭和四八年以来継続して進めてまいりました座喜味城跡環境整備事業は今年で十年目を迎えることになりますが、今年度で城壁の石積工事が完了する予定であります。十年間をふり返って見ると、史跡の整備が進むにつれて文化性に裏打ちされた座喜味城跡の偉容は、村民に大きな誇りを与える存在になってまいりました。
本年度も地域の歴史に立脚した「第八回よみたんまつり」を開催いたします。『継続は力なり』という言葉がありますように、「よみたんまつり」は全村民の協力によって、読谷でなければ「見れない、聞けない」まつりへと大きく発展してまいりました。年一度の大きなまつりであり、すべての分野の総合的な発表の場として全村民が参加し、村民相互の親睦、融和を図り、読谷村発展への原動力たらしめるための計画であります。
人間は過去を知ることによって現在を正しく認識し、その結果、将来に対する指針を得ることができるのであります。昨年度から実施しています「村史」編纂事業を今年度も引き続き進めてまいります。
本村の村づくりは御承知の通り二十一世紀の歴史の批判に耐え得る村づくりを志向しており、村民共通の目標は「人間性豊かな環境・文化村」づくりであります。今や各団体、各字の動きもこの目標に向って動きつつありますが、その内容を一層充実発展させるために「第二回読谷アンデパンダン展」を計画し、読谷における文化・芸術活動を盛り上げるとともに「第二回動く美術館」の読谷開催を実現させ、日本一流の美術作品等を本村で鑑(観)賞できますよう準備をしていく考えであります。
このような諸文化活動は必ずや読谷村民(青少年等)に大きな影響と感動を与え、その感激、感動がいつの日か大きく実ってくることを夢みておきたいものであります。
産業経済の振興のための施策
生産基盤の整備
本村の主要な産業は第一次産業であります。復帰後、沖縄県内においても農業の見直しがさければ、真剣に農業問題が取りくまれるようになってきた。その結果、本村の農業も徐々に明るい方向の兆しが表われはじめてまいりました。今後、さらに発展させる為には、沖縄の自然条件を最大限に活かした農業の推進とその条件整備が必要になってまいります。本村の立地条件と地域特性を考え合わせた場合、現在の厳しい社会、経済環境の中で地道であるが着実に所得を増やし、生活の向上安定を図る施策として第一次産業の振興はきわめて重要な課題であります。その為には土地の有効利用と現行諸制度の活用が最も肝心であると同時に、地域においても自らの生業である「農業」に絶えず主体的にしかも創意と工夫をこらしつつ取りくむ必要があります。
本年度の農業生産基盤の主な事業は次の通りであります。
(イ)座喜味地区農村基盤総合整備事業(七年次)は、本年度が最終年度にあたり、集落内道路、集落内排水路の整備、換地業務等を実施いたします。
(ロ)渡具知地区土地改良総合整備事業(四年次)
支線農道、ほ場内排水路換地業務等を実施いたします。
(ハ)西部連道地区土地改良総合整備事業(三年次)は、ほ場整備、幹線農道、支線農道、排水路等の整備事業を実施してまいります。
(ニ)渡慶次地区土地改良総合整備事業は、新規事業として採択され、本年度は全体実施測量設計を計画しております。全体計画内容は、ほ場(二四・二ha)、幹線農道(七〇〇m)、支線農道(三、二五〇m)、排水路(四、六二〇m)等であります。
(ホ)渡具知土地改良地区かんがい排水事業は、土地改良を実施した二四㎞の農地にかん水するための事業で、本年度は全体実施測量設計を計画しております。全体計画内容は、撒水施設(五、六五八