日本の平和憲法の理念に基づき 反核、反戦を貫き平和を遵守する「平和の宣言」を行う 昭和57年度施政方針読谷村長山内徳信 生活環境の整備に関する施策 地場産業の育成に関する施策 読谷飛行場問題の解決促進について 残波地域の整備開発事業の施策
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おいて給水施設等の改良工事を実施し、漏水防止等に努める考えであります。
住民生活の根幹である道路排水等の整備については、古堅1号線、大湾線、渡慶次1号線、長浜~渡慶次南風原線、伊良皆西線、波平2号線、親志~喜名線、長浜1号線、残波線等の村道の改良または舗装工事と用地取得事業を実施してまいります。
排水路改良工事は喜名地内、村道宇座線、楚辺~都屋排水路等の改良工事と遊水池用地の取得事業を進めてまいりたいとおもいます。
都市計画事業としては、村民の憩いの場づくりとして公園緑地用地取得事業、都計街路の調査、児童公園整備事業(楚辺)を実施してまいります。
その他に住宅地域の総合的な整備事業として、旧ボローポイント射撃場周辺復帰先地公共施設整備事業が二年次を迎え、道路、上水道、排水路等の基本的施設の整備に着手して旧宇座部落の復帰に備え、又古堅地区土地区画整理事業は三年次を迎え、街路と一部区画街路の工事を推進してまいりたいと思います。
環境衛生業務のし尿処理については、中部五市町村による共同処理を継続して実施してまいりたいと思います。また一般廃棄物については、現在儀間地内に処理場を確保し、覆土処理等を実施しておりますが、近い将来、嘉手納町との共同処理に移行していく計画であります。
消防行政につきましては、ここ数年来消防力の充実強化に努めてまいりましたが、本年度は消防内部体制の強化をはじめ、消防機材(救急車)の更新等を図り、村民の生命、財産を守るよう努力していくものであります。
地場産業の育成に関する施策
本村には地域産業として「読谷山花織」と「読谷山焼」の二つの伝統工芸があり、これは読谷村のみならず沖縄県民のかけがえのない共有財産でもあります。さらに村民の日常生活の中に深く静かに浸透しているものに「残波」「まるたか」(泡盛)があり、また永く庶民の生活の中で息づいてきた素朴で味のある「ソベポーポー」があり、海産物レストランの新鮮な魚介類など村内を見まわすとそこに特徴的なものがあることに気づくのであります。祖先の遺した伝統工芸をはじめ、村民の努力によってつくり上げられた生活文化、産業文化を豊富に発展させる為の新しい動きが必要であります。第一次産業と結びついた加工品づくり「一字一品づくり」(名柄づくり)を呼びかけ、村民の生活を豊かにし、村民所得の向上に全村民が知恵を結集し実践してみる。その努力が地場産業の育成のエネルギーになるのであります。ここ数年来、地場産業育成の器づくりは進んでまいりました。即ち「ヤチムンの村」づくり、「商工会館」づくり「読谷山花織会館」づくりであります。これから、更に付加価値の高い物、純粋な物、いわゆる本物づくりを目指して村民が各方面で努力していくことが最も大事であります。本年度は完成した読谷山花織会館を中心に組合員が生産活動、品質の向上及び製品の開発、後継者の養成等に努力してもらうと共に、特に「読谷山花織製品開発研究費」を新たに助成して、使う人(消費者)の需要と要請にも、更に応えていける生産体制、製品開発(染色、デザイン、製品加工等の研究活動)を推進していく計画であります。「ヤチムンの村」の動きも徐々に軌道に乗りつつあり、製作活動も活発で、その動きは今や村内外から大きく注目されております。文化村づくりの一翼を担う存在であり、この発展を期待するとともに県民生活の中に製品が広く活用されるよう配慮していく所存であります。
商工業についても商工業者の研修その他の活動の拠点たる会館の完成を機として、より以上の商工業の資質の向上と地元購入率を高めていくよう努力していただく所存でございます。商工会は地域経済活動を担う最大の団体であり、諸活動が一層充実し、村商工業の発展に大きく寄与するものと信ずるものであり、今後とも商工会員各位の主体的な活動の促進をはかるため助成をしてまいります。
私達は読谷村を愛し、読谷村で物を作り、それを愛用し、さらに他にもそれを推奨し、地域に根ざした活動の展開を願うものであります。
読谷飛行場問題の解決促進について
読谷飛行場問題の解決は、日米政府を相手に複雑困難な問題ではありますが、その困難を克服して解決をしなければいけない極めて重要な問題であります。
読谷飛行場問題は、戦争の後始末がいまだなされていない(戦争が終れば土地は返す)未解決の問題であります。
戦争が終って三七年、沖縄が日本に復帰して満十年になります。本年度は今までの闘いの実績とその成果、総括をふまえながら先ず第一に村民の英知と総力を結集して読谷飛行場内における米軍演習に対しその撤去を求める闘いを組んでいきたいと思います。第二に撤去闘争と並行して読谷飛行場用地の返還を求める闘いを組むことであります。第三に読谷飛行場用地の跡地利用計画を策定しその具体化を推進していく考えであります。
読谷村民はこの戦後処理問題の解決を求め、今年も誠意をもって全力をつくして日本政府に対し要求していく考えであります。
残波地域の整備開発事業の施策
残波岬地域は自然景観に恵まれ、風光明媚な景勝の地として広く県民に知られております。広大な面積を有する該地域の開発は現在及び将来の読谷村の発展とも大きく係わる場所だけに「村民主体の開発」を目指し「村民の諸活動の場」「青少年、勤労者の野外活動の場」「村民の憩い、リゾートの場」等々多種多様の展開が関係者から強く望まれていたところであります。
残波岬は昔から村民の心の中に生き続けてきた場所であり、琉歌の「こてい節」「上り口説」に歌われ、航海安全の神々がまつられており、白い煙、黒い煙をたいて旅立つ人々の見送りや