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ひとくちに”予算議会”といわれている三月議会定例会は、三月三一日の本会議で諸議案を処理し、幕を閉じました。
今議会に提案された予算関係議案は、昭和五七年度一般会計予算案をはじめ、三つの特別会計予算案が提案されました。その結果、一般会計はじめ、すべての特別会計とも原案可決され、これにより昭和五七年度村の予算は、四月一日より予算の完全執行をめざし、ダッシュGO!のサインが出されました。
村の予算は、わたくしたちの家庭に「家計」があるように、国や地方公共団体にも家計と同じような「予算」という名の「家計簿」があります。この予算には村民のみなさんが納めていただく税金、国や県から交付される財源等でもって賄われ、村政はこれらの財源をもとにして予算を組み、住みよい村づくりのために運営されています。
新年度予算の編成については、昨今の経済事情のなかにあって、財源の確保にはかなり苦心いたしました。ことに、国の行財政改革という厳しいなかにありながら「人間性豊かな環境・文化村」づくりをめざし、山内徳信村長以下全職員が一丸となって予算の獲得に東奔西走、その結果、昭和五七年度「村の予算」は総額五〇億七千八百七十三万三千円(三特別会計含)になりました。
会計別でみたときに、一般会計では三七億四千九百三十七万四千円。水道事業会計で四億二千九百八十八万二千円、国民健康保険特別会計で七億九千九百二十八万八千円、診療所特別会計で一億十八万九千円になっています。これを前年度(昭和五六年度)に比較した場合に、一億四千三百九十七万七千円減少、二・八%の減少率という結果になりました。これは、一般会計を除く三特別会計ではプラス値をみせましたが、一般会計については、昨今の財政難を反映し”緊縮型予算”ということになりました。ちなみに、前年度に比較してみたときに、二億一千八百九十五万七千円(五・五%)減少を示しています。
しかし、一般会計については端的にマイナス値とかたずけられない一面をもっています。それは、沖縄の祖国復帰後、教育環境の整備は急務とされたなかで、これまで学校教育の基本施設の整備に莫大な設備投資が行われてきました。復帰十年という節目にあたり、学校教育の基本施設は、やっと本土並の水準に達したということで、基本施設への投資は一応の結着をみた、ということで、対前年度比較マイナス値をみせた要因といえます。ちなみに、教育費についてみたときに、前年度は十二億九千七百五十九万二千円(当初)でした。これに対し今年度は九億九千九十四万三千円、従って、三億六百六十四万九千円減少を示し、二十三・六%の大幅な減少をみせています。そのことが結果的に今年度予算のマイナス要因のひとつであり、特徴のひとつになっています。
一方、民生費、農林水産業費、商工費、土木費等については軒並みにプラス値を示し”緊縮型予算”にあって財政需要おう盛を極めています。
以下、一般会計予算についてミニ解説を交え図表をご参照し、広く村民のご理解をいただきたいと思います。
一般会計 歳入
☆歳入-まず、村の予算を性質上から大きく分けてみたときに「自主財源」と「依存財源」とに大きく分けられます。
自主財源とは、わたしたちが直接納めている村税や財産収入などで賄われ、依存財源とは、村独自の財源では賄えず国や県など、すなわち、他方からの収入をもって運用して行かなければならない収入のことをいいます。
このうち、自主財源の多い方が村の財政運営として好ましい事だといわれますが、本村の財政はもとより他の地方自治体の財政の実情も依存財源の占める比率はかなり大きいものです。ちなみに本村の財政でみたときに、自主財源は二六・九パーセント、それに対し依存財源は七三・一パーセントでかなりの依存率になっています。
つぎに科目別の主なものを対前年度に比較してみたときに、まず、村税については対前年度より一億一千八百四十六万九千円増加し、実に二三・四パーセントの伸び率になりました。村税のなかでも、ことに村民税については、個人分で六千一六七万七千円の増加がめだちます。また、たばこ消費税についても一千五二九万六千円増加いたしました。
一方、依存財源七三・一計のうち、最も大きいのが地方交付税で十三億四千四百七〇万円です。これを百分比いたしますと三五・九パーセントになります。また、対前年度に比較したときに、四千五百九〇万円増加いたしました。一方、これまで、常に依存財源のトップの座を占めていた国庫支出金は学校教育基本施設等への投資が一段落したことにより三億九千九百三十六万円減少し、三一・六打の大幅な減少率をみせました。
つぎに、自主財源、依存財源別対前年度比較してみたときに、自主財源では一億二千一〇七万八千円の増加をみることができ、四・五打増加、総額では十億九百四十五万八千円になっています。また、依存財源では、三億四千三万五千円減少し、十一打の減少率、総額では二七億三千九百九十一万六千円になっています。
一般会計 歳出
歳出-つぎに歳出についてまとめてみますと、大きく区分して消費的経費と投資的経費、それにその他に三区分されます。それぞれの予算額は消費的経費が二十三億五千九百八十六万二千円、投資的経費が十一億二千七百二十三万九千円、その他が二億六千二百二十七万三千円となっています。これを対前年度に比較してみたときに、消費的経費で一億一千七百四十一万八千円増加した反面、投資的経