そんちょう日記 №9 読谷村長山内徳信
最近読谷村に、外国人が訪ねて来るようになった。これはうれしいことであり、そのいくつかをご紹介いたします。
一九八○年十二月二四日午前、メキシコの世界的思想家、哲学者イワン・イリッチ博士が来村された。博士は平和の根源的なお話しをされ、私は読谷村の村づくりの哲学と実践を申し上げる良い機会であった。
今、読谷の「ヤチムンの里」を中心に、「ミニ国際交流しが行われ、「読谷留学」が展開されております。受人先は、ヤチムンの里のメンバーの一人金城明光さんのところで、青い目の女性達が真剣に粘土に取り組んでいる姿は美しい。
ノルウェーの首都オスロからやって来たディナー・ノーイエムさんは、八○年の十一月から八一年十二月までの一年間、、研修生として修業した。女性らしい作品を作って読谷まつりにも出品して下された。彼女は「読谷は粘土が豊富にあり、ヤチムンの里の陶工の皆さんの技法が、それぞれ個性的で学ぶのが多い。ノルウェーに帰って登窯を造るのが夢である」と希望をいだいて帰国した。
今年の二月からアメリカ人の二人の女性が研修生として勉強しております。
レベッカ・ギヤリティ(バージニア州出身)さんとパトリシア・クック(カリフォルニア州)さんです。レベッカさんの目的は、焼物の勉強をして、大学で陶芸の教授になることだそうです。一方パトリシアさんは、私の質問に「沖縄は文化が豊富である。沖縄の文化を勉強し、子供達にそれを知らすために来た。ヤチムンの里に来て、いろいろなアイデアが湧いてきた。帰国後、そのアイデアを生かしたい。」と微笑(ほほえみ)をみせていた。
沖縄の伝統工芸の技法を求めて外国からやってきた。しかも広大な米軍基地のある読谷村に!。
読谷村民の村づくり、村興(おこ)しの運動が、遠く外国の人々の間にも伝わっている、ということであろうか。私達は、今後とも、自信と希望をもって、本物づくりを目指して頑張りたい。