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1984年10月発行 広報よみたん / 2頁

楚辺兼久ビーチ拡張 米軍工事強行の構え 楚辺兼久ビーチ拡張の経過

楚辺兼久ビーチ拡張 米軍工事強行の構え
 楚辺兼久ビーチの拡張工事は、いよいよ米軍が強行する構えを見せてきました。
 五七年に拡張問題が起って以来、読谷村ではビーチ拡張に対し反対の意志を示し、米軍、施設局に対し中止の要請をしてきました。
 これまで数度にわたる話し合いも平行線をたどり、ビーチ拡張の問題の解決もつかないまま、さらに今年三月一七日には米特殊作戦部隊(グリーンベレー)がトリイ通信基地へ配備されることが明らかになりました。
 このことは楚辺兼久ビーチ拡張が単なる米軍の保養施設の拡張を目的とするものではなく、トリイ通信基地の再編、強化につながるものです。
 読谷村議会でもこのことを重大視し、三月十七日、「トリイ通信施設への特殊部隊配備に対する意見書」を採択し、楚辺ビーチ拡張と合わせて反対の意志を表わしました。
三月二一日、「米軍の楚辺ビーチ拡張、並びに特殊部隊配備阻止読谷村民総決起大会」は古堅小学校グラウンドに村民約六〇〇人が参加して開催され、トリイ通信施設ゲートまで抗議デモを行ない村民ぐるみの阻止運動が展開されました。
 さらに四月二四日には、県民総決起大会も行なわれ特殊部隊配備とビーチ拡張問題が全県民的な運動へと広がりました。
 このような状況の下で、村長を始めとし、議会、村民は、国、県、施設局、米軍に対し、再三の抗議行動を行なってきましたが、村民の声は受け入れられず、九月五日、六日遂に、米軍はビーチ拡張工事を強行しようとしました。しかし、村民の強い抗議行動により工事の強行を一応くいとめることができましたがその後米軍、施設局との協議も進展しないまま、施設局が調整役を放棄するという、深刻な事態にまで落ち入りました。
 六日には、米軍は、機動隊を導入し、高圧的な態度を示しています。さらに特殊部隊の配備が完了したことの米軍からの報道もありビーチ拡張工事の強行が心配されます。
 米特殊部隊の配備、ビーチ拡張は、基地の拡大、強化につながり、農耕や漁業などの生活権、風紀や治安の乱れ、ビーチの米軍専用化のおそれなど多くの問題があります。
 村民一人一人がこの問題の認識を深め解決への努力をしていかなければなりません。

楚辺兼久ビーチ拡張の経過
一九八二年八月十二日
・米軍楚辺兼久ビーチ拡張の動き
・ビーチの軍民共同開始・コンクリートベンチ休憩所設置
一九八三年十一月五日
・米軍より軍用地々主会ヘビーチ拡張計画の現地説明行なわれる。
一九八四年二月八日
・米軍より楚辺区・施設局にビーチ拡張の計画説明
十四日
・楚辺区理事会で「トリイ通信施設内ビーチ建設中止に関する要請」を決定
二〇日
・楚辺区代表施設局へ「要請書」を提出
二一日
・村長・議長・楚辺区代表が米軍司冷官ヘビーチ拡張計画の中止を迫る。
十一日
・楚辺区々民総会でビーチ拡張反対を決議
十五日
・読谷村議会でビーチ新規造成反対に関する意見書を採択
十七日
・米軍・トリイ通信施設へ米特殊部隊配備を発表
・読谷村議会で「トリイ通信施設への米特殊部隊配備に反対する意見書」を採択
二一日
・楚辺区民総決起大会
・「米軍の楚辺ビーチ拡張並びに特殊部隊配備阻止読谷村民総決起大会」開催
四月十一日
・阻止実行委員会が国へ要請
五月三〇日
・読谷村議会で「米軍による楚辺兼久ピーチ拡張計画並びにグリーンベレーの配備中止に関する要請」決議
九月五日
・米軍ビーチ拡張工事を強行・抗議団によって阻止-
・「工事阻止実行委員会」結成
九月六日
・米軍機動隊を導入して工事強行を図る。
・抗議団によって工事阻止-
二五日
・施設局米軍と地元との調整役を放棄
九月二九日
・米軍特殊部隊配備完了と報道(一個大隊二〇〇人~三五〇人)

※写真「村住民の強い反対にあい工事は一時中断」、「機動隊が抗議中の住民を強制排除」は原本参照

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