読谷の文化行政が高く評価される 初の「文化行政シンポジウム」に村長がパネラーとして登壇
県では初めての「文化、行政シンポジウム」が沖縄県、県市長会、県町村会の主催で去る二月二八日、那覇、自治会館で開催されました。
沖縄県独自の文化を生かした個性ある地方行政と、文化行政の在り方を考えようというもので、県下各市町村から多くの文化関係職員が参加し、大きな関心をよびました。
「地方の時代」がさけばれてひさしく、ようやく中央指向の行政から地方に目をうつした行政が注目され始め、全国的に町づくり、村づくりが模索されてきました。
戦後の経済復興から高度成時代を経て物が豊かになった今日、むしろ経済を中心に展開されてきた行政が今、文化行政の重要な役割を問い直されていると言えます。
五八年から国(自治省)でも「潤いのある町づくり」で地方の文化行政を推進する施策を打ち出しています。
特に、独自の文化を有する沖縄で自然、歴史、伝統を踏まえた文化行政のあり方を考えるシンポジウムの開催は大きな意味を持つものです。
シンポジウムは、外間守善、法政大学教授が「沖縄の文化の特質」と題した基調講演を行い、沖縄文化を歴史的側面と地理的条件から分析し、九州との関連性や、太陽神信仰、などに触れ、その独自性を明らかにしました。
午後のパネル討議に、木崎甲子郎琉大教授らとともに山内徳信村長もパネラーとして登壇し村長に就任して、人間の生き方、施策の中心に何をすえるかをじっくり考えた末「人間性豊かな環境、文化村」を村政のスローガンとしてかかげた。自治体には顔が必要だ。読谷の顔として文化村建設を描き織物の振興や陶器づくりのヤチムンの里をつくった。文化行政の基本的な考え方として「足元を深く掘れ」と強調している。現在、沖縄の子どもたちは、太陽や海を失いつつあるが重大な問題だ。地域を見つめる目を育てなければならず、そのことを村づくりの根底にしなければならない。」と、読谷村の文化村づくりの経過を報告し、文化行政のあり方について提案をしました。
シンポジウムを通して沖縄の独自性を継承し総合的視野で積極的な文化行政への対応が提唱されましたが昨年、「潤いのあるまちづくりで」自治省より表彰を受けた読谷村の文化行政は特に注目されておりました。
※写真は原本参照