五度び声高らかに「平和宣言」平和で明るい豊かな文化村づくりを目指す 昭和60年度施政方針 4本年度の実施事項 (8)残波岬地域及び海岸線の整備開発事業に関する施策 (9)緑化および美化運動の推進について (10)第42回国民体育大会の取り組み 昭和60年度予算及び案件等について
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(8)残波岬地域及び海岸線の整備開発事業に関する施策
自然景観に恵まれ、県下でも屈指の地形を有した残波岬の地域は、現在および将来にわたって読谷村の発展に大きくかかわるところであります。これまで内外の協力により、子供からお年寄りにいたるまでみんなが憩える野外活動施設、残波岬いこいの広場の整備や公園事業による駐車場の整備等を実施してまいりました。
残波の地は「村民の憩いの場および諸活動の場」、「青少年の野外活動および自然との接触の場」等々の多種多様な施策が展開できる地域であります。また県内外からの憩いの場としてますます利用は高まってまいりました。この地を「読谷の顔」として内外へ知らしめていくために多彩な公園整備をはじめとして「保養施設」の建設を積極的に推進し、地域経済との有機的な結びつきをはかってまいりたいと思います。
一方、自然が残る海岸線につきましては、無秩序な開発や侵食から海岸を保全するとともに漁業環境との調和をはかりつつ民間活力等を導入し、海浜レクリェーション地区の整備を促進して海を最大限に活用していく施策を展開してまいりたいと思います。
(9)緑化および美化運動の推進について
戦争の悪夢から早や四十年の歳月が経過し、かつて緑の島沖縄もわずかではあるが自然が甦えりつつあります。しかし、失った緑の回復は容易ではありません。これまで各種団体や地域の皆様、そして公的な立場での緑化事業を実施してまいりました。本年度は、村民による村木、村花の選定をなし、今後の村域緑化事業の指針として取り組んでいくものであります。
今後、幾世代にもわたって生活が営まれる我々の郷土を緑に包まれた美しい地域として後世に引き継ぐのは現在に生きる人々の責務であります。本年度も県民ぐるみの「クリーン・グリーン・グレイシャス運動」と呼応し、百年の大計で緑の創造をはかるための施策を推進してまいります。
(10)第42回国民体育大会の取り組み
第42回国民体育大会は、昭和六二年に全国一巡のしめくくりとして沖縄県で「海邦国体」として正式に、昭和五九年七月に日体協と文部省によって決定されました。国民の健康増進とスポーツの普及並びに地方スポーツ文化の振興発展のために全国各地で盛大に開催されてまいりました。戦争や米軍の占領の苦難の歴史を歩まされてきた沖縄県民にとって戦後四二年目に開催される国体は、正に「平和の祭典」「スポーツの祭典」として全国から選手、役員及び関係者、さらには参観者等の大勢の国民を迎える歴史的な事業であります。
今、六二年沖縄国体に向けて県をはじめ、各市町村で具体的な準備が進められております。本村はソフトボールの少年男子の会場地として国体を取り組むことになります。競技会場については歴史的な記念事業として新しく会場を作っていく準備を進めております。場所については現在の運動広場の南東側に位置づけしてあり、現在共同使用の手続きを日本政府と米軍に対し、国体会場として認可を受けるべく申請中であり、その早期認可を要請しているところであります。
六二年国体開催時に本村での少年男子のソフトボール競技運営のために全国から選手、役員、視察員等で約五百人程の関係者が来村するようになっており、その宿泊、輸送等の受け入れ体制を整えなければなりません。村民一人一人が参加していく国体、心のふれあう国体、をめざし、第42回国民体育大会読谷村実行委員会の組織を強化し、全力をつくして取り組んでいく所存でありますので村民各位の一層の御協力、御指導をお願い申し上げます。
昭和60年度予算及び案件等について
昭和六〇年度予算に当りましては、これまで申し上げました諸施策を重点に次のように編成いたしました。
一般会計 四、一三五、〇二三、○○○
水道事業会計 五二八、八三九、〇〇〇
国民健康保健特別会計 八六七、三八五、○○○
診療所特別会計 一一九、三二四、〇〇〇
老人保健特別会計 四四八、九五二、〇〇〇
以上の五合計で六、〇九九、五二三千円の予算となっております。
今議会は議案二九件を提案してまいります。尚、この他に数件の議案を追加提案する予定であります。
最後に、昨今の財政状況の厳しい中、効率的な財政運営と村民福祉の向上並びに本村のかかえております諸問題の解決にあたってまいりたいと思いますので議員各位の一層の御協力、御指導をお願い申し上げ、昭和六十年度の施政方針といたします。
昭和六十年三月十二日
読谷村長 山内徳信