125年前の赤瓦屋復元
座喜味公民館北側に古い赤瓦屋根の家が再現され、その落成式が去る七月七日、午前九時より、区民総出の中とり行なわれました。この家は、島袋秀雄さん(座喜味四五九番地)所有のもので新築のためとり壊されることになっていましたが、一二五年も前の貴重な現存する家とあって座喜味区では、文化財として保存することを決定、文化財復元保存実行委員会(喜友名昇委員長)を結成し、これを復元保存することになりました。去る五月五日にとり壊してから約ニケ月間をかけ区民の資金カンパや奉仕作業で、このほど復元が完了しました。日曜日などは子供会も復元作業を手つだい、土をこね、泥まみれの大奮闘をいたしました。その他、老人会、婦人会、青年会も作業に参加し、復元までに三百人以上の区民の参加があり、まさに区民総出の文化財復元作業となりました。復元されたこの家は一二五年前のものとあってどっしりとした重みとおちつきを漂わせ、屋敷内にたつと、なぜかなつかしさがこみあげてくるような気がします。
戦後この家は、米軍の弾薬集積所のために東河(親志東側)に移されました。その後、弾薬集積所の解放により元の地に移された現在にいたりましたが、新築のためとり壊して、一時は村外へ持ち出されることになっていたのを区民の手で現在地に復元され、ようやく安住の地を得たものです。
-一二五年前にタイムスリップ-
この日、午前九時からの落成式は、区長、文化財復元保存実行委員会々長の他区民代表によるテープカットで始まりました。屋敷の周りでは、古い民具や家具が展示される他、バサージン(芭蕉着)を着けたオバー達が石臼で大豆を確さ、湯し豆腐をつくる風景も見られました。
屋敷内では、昔の農家の一日を再現、旧家の落成式にふさわしい催しが次々と行なわれ、まるで一二五年前ヘタイムスリップしたようでした。
復元されたこの家は、子供達には、昔の暮らしを体験させることに活用する他老人クラブの集会所としても利用されていくことになっています。
※写真「2ヶ月をかけた復元作業」、「落成を区民総出で祝う」は原本参照