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1985年9月発行 広報よみたん / 6頁

勇壮なアモーラ(追込漁)を再現 読中宇座支部 ウミンチュ(漁師)のたくましさを受け継ぐ

勇壮なアモーラ(追込漁)を再現 読中宇座支部 ウミンチュ(漁師)のたくましさを受け継ぐ
 朝六時、残波岬よりやや南よりの宇座舟着場が活気を見せた。読中・宇座支部のアモーラ(追込漁)が始まろうとしている。
 戦前、半農半漁であった同部落の伝統的な漁法を今戦後生れの中学生たちが体験しています。
 先の大戦により同部落は現在の高志保・長浜地域へと移動せざる得ませんでした。
 今では、漁を行う人も少なく、子供達の中には、海へ出た祖先のたくましさは遠い夢のような話になっていたにちがいありません。
 昨年七月、宇座部落では「旧部落の復興」という歴史的な大事業が完了しました。三九年目にしてようやく、戦前の旧部落が復興され、区民の長年の夢が実現されたのです。旧部落の復興は、自然の恵みの中に生きた祖先の豊かな営みに思いをふくらますものともなりました。
 そんな中で中学生ら子供達によるアモーラ漁の再現は、同区の歴史と伝統を受け継ぐという大きな意味をもつものといえるでしょう。
 八月七日、午前六時、宇座舟着場は、集まった中学生や父母らで、かつてのにぎわいを取りもどしたかのようでした。
 七時過ぎ、十数名の中学生と共に漁舟が海へ乗り出した。多少、波のあらい沖合で横一列に並んだ中学生が遠まきに追込みを始める。約一時間近く、追込みの輪がちぢめられ、仕かけられた網に魚が入る。上げられた網の中には、新鮮な海の幸がとびはねていました。
 アモーラ大会は今年で四回目、参加した中学生の顔からは、祖先から受け継いだウミンチュ(漁師)のたくましさがうかがえました。

※写真「たくましい海の男たち」、「慌れもようの海もへいき!!」、「海の幸をさっそく料理」は原本参照

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