読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1986年4月発行 広報よみたん / 3頁

六度び内外に「平和宣言」 村民とともに21世紀を展望するムラづくりを推進 昭和61年度施政方針 1はじめに 2村政に対する基本姿勢

〔第312号2ページの続き〕

なく、平和は人類最高の理想であります。現実を理想に近づけるため、おかれている状況を直視し、より具体的に問題解決の為に全力を尽すことは人間の崇高な使命であるといわなければなりません。
 読谷村は人間の「生存と平和」を最も大事にする立場から非核宣言の村として議会決議をしているのであります。改憲論や軍備増強、自衛官募集業務等、戦争の道につながる行為は読谷村の基本理念にそぐわないものであり、今後とも拒否してまいります。
 私は、ここに沖縄の歴史の教訓と日本の平和憲法の理念、さらに「非核宣言の村」としての読谷村民の願いを体して、内外に声高らかに「平和宣言」をするものであります。
一、われわれは、反核・反戦を貫き、平和を守り、人類の存続と文化の発展のために奮闘する。
一、われわれは、我々と我々の子孫の幸せと繁栄をめざし、平和な社会を築くために奮闘する。
一、われわれは、読谷村民の住みよい生活環境の確保をめざし、基地公害(爆音訴訟含む)を拒否するために奮闘する。
一、われわれは、より身近かな問題として読谷飛行場内の米軍落下傘演習場の早期撤去を実現させ、演習場もない住みよい村づくりのため奮闘する。
 以上のことを村民に訴え、あわせて村民とともに決意する次第であります。
 一方、復帰後の沖縄振興開発の為に制定された特別措置法を受けて、今年は第二次振興開発計画の五年目に入ることになります。
 復帰後今日まで、本村の諸施策もこれに基づいて展開してきたのでありますが、その結果、社会資本の整備、学校教育施設の整備、生活環境の整備、生産基盤の整備等々一定の成果を上げてまいりました。今後とも時代の進展に即応しつつ将来への展望に基づき、本村の社会的、経済的、文化的基盤の整備拡充の為に努力していく所存であります。
 読谷村の村づくりは、日頃申し上げておりますように過去を反省し、現在を大切にしつつ二十一世紀を展望する村づくりであり、ふるさと読谷のもつ地域特性を活かしたものでなければなりません。
 そこで最も大事なことは、村民がたえず人間としての生き方を歴史の教訓から学び、「真なるもの・純なるもの」を見つめる視点と、地方の時代、文化の時代にふさわしく地域に立脚しつつも、尚、普遍性、世界性を有する視野と志が必要であります。
 自治体(読谷村)の生命は未来永劫に続くものであります。生命力となって地域社会を担って立つのは人間であり、その人づくりの場が教育及び文化活動であろうと思います。
 担い手づくりとして、地域文化を語る教育、感動を抱かせる芸術的教育、そして平和的、民主的、国民的教育を築き発展させることが重要であり、現在はその過程にあるという認識に立ち、村民自らが主体的、自律的、創造的に、しかもマクロ(巨視)的立場からの実践が今こそ必要であります。村民一人びとりが地方の時代のもつ意味、いわゆる「自治の思想」を十分に理解され、村づくりの主人公は「一人びとりの村民である」という基本認識のもとに、行政区や地域とのかかわりを積極的に持ち、よりよい地域社会づくりに参加されるよう期待するものであります。
 どうぞ読谷村の目指す「人間性豊かな環境・文化村」づくりに自信と誇りをもって取り組まれますようお願い申し上げます。
 昭和六一年度も村民の英知と協力のもとに、ユニークな村づくり、清新活力ある村づくりを志向し、さらに国体会場の建設と国体の成功をめざして議会の皆さんをはじめ村民各位の積極的な御指導、御協力、御支援を抑ぎつつ村政を進めてまいりたいと思います。

2 村政に対する基本姿勢
 私の村政に対する基本姿勢は、沖縄県民の歩んできた歴史的教訓をふまえ、現在の国際及び国内情勢に思いをいたした時、読谷村という「一地方自治体」とはいえ、よって立つところは日本国憲法の理念である「平和主義」、「民主主義」、「基本的人権の尊重」という三原則であります。
 一方、地方自治の本旨に基づいて確立された我が国の地方自治制度、いわゆる住民自治、団体自治の観点に立ち「自治と分権」を内容とする「地方の時代」を目指し、平和で明るい豊かな文化村づくり、清新活力ある村政を主体的、創造的に進めていくことであります。
 それは、
一、平和と民主主義、人間尊重の村政を基調とする。
一、地域の産業経済の向上安定をはかり活力ある地域づくりを目指す。
一、民主的な学校教育、社会教育の充実と文化の発展を目指す。
一、村民福祉の増進を目指す。
一、明るく住みよい健康な村づくりを目指す。
一、自治と分権の確立を目指す。
 以上の六項目にわたる考え方を基調として村政を進めていく考えであります。

※写真は原本参照

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