読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1986年4月発行 広報よみたん / 5頁

六度び内外に「平和宣言」 村民とともに21世紀を展望するムラづくりを推進 昭和61年度施政方針 4本年度の実施事項 (2)産業経済振興に関する施策

〔第312号2~4ページの続き〕

③文化財保護と文化運動の展開
 「文化」はそれぞれの地域において、それぞれの地域特性を充実させていくことが最も基本的な培養法であり、それは地方自治の確立につながるものであります。
 先人の遺した貴重な文化遺産は関係者の努力と村民の協力により収集・発掘・調査等が実施され、内容が充実するとともに新しい文化創造への礎となっております。
 本年度も資料館を中心に文化遺産の収集や保護、民具調査や民話調査などを行なってまいります。また、読谷村の象徴でもある座喜味城跡は、十三年の歳月をかけて城壁の復元と周辺環境が整備され、公園整備も併行して村民の誇りとなっている遺産であります。その復元事業の完了を記念した式典を開催してまいります。
 一方、村民活動の総合的発表の場である「読谷まつり」は、昨年の六百人余が出演した創作劇「進貢船」により新たな発展をみることが出来、万余の観衆が興奮の渦につつまれました。各部落に伝わる数々の伝統芸能発表、児童から老人にいたる各階層の村民が参画するまつりとして今後も継続してまいります。
 「村史」編集事業につきましては、『戦前新聞集成』が編集を終え発刊の運びとなりました。本年度は『文献資料編』の編集作業を行なってまいります。
 読谷における美術工芸等の創作活動として「アンデパンダン展」をはじめ、多くの村民や児童生徒が絵画に親しみ、その感動を味わう美術展の開催、美術館建設に向けての調査活動を引き続き行なってまいります。また、雄大な残波の地に建造された「残波大獅子」は、大阪在住の彫刻家・金城実氏の指導の下、村内外の多くの人々の手と奉仕によってつくられ、先人の進取の気性をたたえ、その魂を受け継ぎ、限りない平和な読谷の飛躍と村民の幸せを願い、中国大陸を大きな目でみつめながら座しておりその姿は誠に勇壮であります。
 このような諸活動を通して村民一人一人が二十世紀後半の文化の創造者という認識をもって二十一世紀の批判に耐え得る村づくりを志向しなければなりません。「人、歩けば道となりその道はやがて文化となる」ものであり、たゆまぬ努力が必要であります。
(2)産業経済振興に関する施策
①農業生産基盤の整備
 主要産業である農業は亜熱帯気候を利用した青果物や花卉等の生産の増加、そして団地形成による畜産の進展と年々発展してまいりました。昨今の農業技術の進歩はめざましく、県内農業は大いに期待されているところでありますが、農業の振興は本村経済の発展に大きく影響するものであり、その施策は重要な課題であります。
 生産基盤である土地は有限であり、その効率的利用をはかっていく必要があることからこれまで座喜味、渡具知、西部連道、渡慶次、浜屋、萩川地区で約一二〇ヘクタールの圃場を整備してまいりましたが、本年度も次のような事業を継続実施してまいります。
イ、西部連道地区土地改良総合整備事業
 本年度で七年目を迎え、これまで五六・九ヘクタールの圃場が整備され全体の七二%が完了したことになります。引き続き九・〇五ヘクタールの圃場と幹線農道、支線農道及び排水路の整備を実施してまいります。
ロ、渡慶次地区土地改良総合整備事業
 五年目を迎えたこの地区は、これまで一三・五ヘクタールの圃場の整備を終えましたが、本年度も四・八○ヘクタールの圃場と幹線農道、支線農道及び排水路の整備を実施してまいります。
ハ、浜屋地区土地改良総合整備事業
 この地区は四年目を迎え、これまで八ヘクタールの圃場が整備されました。本年度も二・六ヘクタールの圃場と支線農道、排水路及び排水池の整備を実施してまいります。
ニ、荻川地区土地改良総合整備事業
 昨年度より工事が施行され、二・一ヘクタールの圃場が整備されましたが、三年目を迎える本年度も二・四ヘクタールの圃場と幹線農道及び支線農道、排水路の整備を実施してまいります。
ホ、西部地区土地改良推進事業
 西部地区は波平、高志保、渡慶次の三字にまたがる八四・六ヘクタールの広大な農用地を有した地域であり、長浜ダムの受益地区ともなっていることから、、地元において土地改良事業推進委員会を組織し、昭和六二年度の事業採択に向けて取り組んでまいりたいと思います。
②県営潅流排水事業
 昭和五七年度から建設工事が進められた長浜川ダムは本年度で五年目を迎え、これまで水没地に係る用地の取得と工事用道路、そして仮排水トンネル工事を実施されてまいりました。昨年度は用地取得で一部折り合いがつかず工事の施工が見送られましたが、用地の

※写真「よみたんまつり」、「西部連道土地改良」は原本参照

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