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1986年5月発行 広報よみたん / 3頁

地域シンポジウム読谷 21世紀拓く 人と海と太陽とニライの海に新しい明日を求めて! パネル討論 講演 日下公人 ソフト化経済センター専務理事 森敬 慶應義塾大学教授

地域シンポジウム読谷 21世紀拓く 人と海と太陽とニライの海に新しい明日を求めて!
 読谷村・沖縄タイムス社主催、日本システム開発研究所協賛、沖縄総合事務局・建設省・沖縄県・日本航空・琉球放送.・読谷村農業協同組合・読谷村漁業協同組合・読谷村商工会後援で、二一世紀を拓く地域シンポジウムが社会福祉センターホールで去る四月二七日開催され、海洋資源を村づくりへどう活かしていくかがテーマとなりました。
 地域シンポジウムとは言え、国・県も後援、あるいはパネラーとして参加したこのシンポジウムは村民だけにとどまらず村内外から五百人以上が詰めかけ、その関心の高さがうかがわれ、沖縄の海洋開発にとっても大きな示唆を与えるものとなりました。
 シンポジウムの開催にあたり、山内徳信村長は、「古来、沖縄はニライカナイの信仰のもとに、太陽を父とし海を母として生活してきました。海は沖縄の人々にとって、かりゆしの海、恵みの海、ロマンの海、文化をもたらす海でありました。玉朝時代、進取の気性をもって中国との交易をした泰期のごとく読谷村民は、戦後の荒廃と基地の重圧の中から立ち上り、今日の読谷の発展を築いてきたのであります。今、県内でも有数な美しい海岸線を持つ本村でも海洋資源をムラづくりの中に積極的にとり入れ、地域経済の活性化に結びつける新しい時代の創造が望まれています。」とこのシンポジウムの意義を語りました。

パネル討論
 石原舜介東京理科大学教授を座長に、各パネリストが山内徳信村長の問題提起に答える形で討論が進められました。山内村長は、海浜開発と自然保護、漁業との共存リゾートと地域の共存、入浜権、交通網の整備など、海浜開発をどうムラづくりへ活かしていくかを提起しましたが、これに答えて、各パネラーから、国道五八号線のバイパス道路の計画、海洋牧場と漁業との共存、マリーナとの一体化、自然環境を重視した有効利用、海岸の管理システム、海のマスタープランづくり、住民との整合性を持つ企業の誘致、サイエンスパーク、海洋開発センターの立地などの提言がなされました。
 又、パネル討議の最後に石原氏が「ユニークな村づくりを進めて読谷村であり、人と海と太陽が調和した新しい海浜開発の方策を見つけ出すことが大事になります。
 海洋資源利用をうまく生態系と調和させ、ゆったりとした生活の場を提供する開発がなされ、漁業や、地域住民と共存することが大切です。」と討論をまとめました。

講演
日下公人 ソフト化経済センター専務理事
-ソフト化時代における地域開発の成功例-海洋開発と沖縄の進路-
 全国の様々な地域開発の成功例と失敗例を具体的に提起して講演する中で、沖縄の海洋開発の展望を語り、「整い過ぎた計画、定評があり統計に乗ったものではなく、前例のないものをやらなければ成功しないし、上着の価値を活かさなければならない。」と講演しました。

森敬 慶応義塾大学教授
-太陽光利用による海洋牧場建設の可能性-
 太陽光集光装置「ひまわり」による海洋牧場は魚類を自然環境の中で健康に育てるという発想で環境浄化、高生産性、漁場形成に有効なもので、漁業の共存ができるものであるばかりか、沖縄のサンゴ礁の保護、復活にも大きな力を発揮するものですと講演しました。

※写真「座長東京理科大学教授石原舜介氏他、読谷村長山内徳信、日本大学教授佐久田昌昭、建設省都市局技術審議官依田和夫、沖縄総合事務局次長吉越治雄、沖縄県企画開発部長池田光男、武蔵野美術大学講師川瀬篤美の各氏が活発な討論を交わしたパネルディスカッション」は原本参照

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