9月はがん征圧月間 検診を受けないのは自殺行為
”がん”と聞くと、不治の病と思われる方も多いと思います。確かにがんは、昭和五十六年以来、心臓病、脳卒中を抑えて死亡原因のトップを占めています。
しかし、がんも種類によっては、早期発見・早期治療によって治ゆが可能な病気になりつつあります。
九月は「がん征圧月間」です。わたしたち一人ひとりが、がんに関する正しい知識を持ち、自分自身で予防を心がけることが、がんを征圧していくことにつながります。正しい知識と予防対策をいま一度考えてみましょう。
■スローガン■
がんは防げる まず検診
一次予防
ライフスタイルの改善が発病を防ぐ
がん予防にはまず”一次予防”があります。一次予防とは、「がんにかからないようにする」ための予防のことです。火事でいえば火事を起こさないための”火の用心”や”出火予防”にあたります。
では、具体的に何をすればいいのでしょうか。
まず、①食生活の改善、調理の工夫を心がけること。②たばこやアルコールの取り過ぎに注意すること、が主な点です。この二つを実行し、ライフスタイルを少しでも改善することで、がんの発生はかなり予防できるといわれています。
二次予防
定期検診で”手遅れがをなくす
”それでもがんにかかってしまったら、どうするのか。”一次予防をしていれば、がんにかからないとはいいきれません。そこで、いわゆる”二次予防”が必要となります。「がんにかかっても、手遅れで命を落とさないようにする」ための予防です。これは発生してしまった火災に対して”初期消火”によって”全焼・延焼を防ぐ”予防方法なのです。具体的には、定期的にがん検診を受け、がんが発見されたらすみやかに治療を受けることです。
健康に自信があっても油断禁物
がんを早期に発見して早期に治療を受けた人は、手術後の経過に大きな違いが出てきます。日本人が圧倒的にかかりやすい胃がんは、早期に発見して治療すれば、完全治ゆも不可能ではなくなりました。
また、最近女性に多い乳がんも、自分自身でできる検査法により早期発見が可能です。
しかし早期発見の大切さを頭でわかっていても、「健康だから」「忙しいから」という理由で、検診を受けない方が多いようです。ある専門家は、「検診を受けないことは、自らの命を縮める自殺行為だ」とまで言っています。
健康だからといって油断は禁物です。がんはひそかにおそってくるのです。検診を受け、自分の健康を確めるようにしましよう。
がん予防の常識12カ条
一、偏食をしないでバランスのとれた栄養をとる。
二、同食品をくり返して食べない。
三、食べすぎを避ける。
四、深酒はしない。
五、喫煙は少なくする。
六、適量のビタミンA・B・Eをとる。繊維を多くとる。
七、塩辛いものは多量に食べない。あまり熱いものはとらない。
八、ひどく焦げた部分は食べない。
九、かびのはえたものは食べない。
十、過度に日光にあたらない。
十一、過労を避ける。
十二、体を清潔に保つ。
自宅でできる乳がんの自己検診法 よく観察して早期発見を
①鏡の前に立ち、自分の乳房の大きさ、形、くぼみの有無、乳首の位置、ただれの有無など左右をよく見ます。このような観察を、注意しながら両手をあげたときと下げたときの2回行います。
②つぎにあお向けに寝て、検査をする乳房の反対側の手で、乳房の中心がら周辺へ指をそろえて静かに軽く圧迫しながら触れていきます。このとき、決してつまんではいけません。つまんで感じる「しこり」は正常な乳腺であることが多いからです。
③つぎに、わきの下に深く指先を入れ、しこりを探します。
④最後に、乳首から血性の分泌物が出ないかどうかを確認します。