大分県宇佐市
溝 口 栄 次
「新耶馬台国」から
大分県宇佐市
全国的に、まちづくり、むらおこしの気運が高まっているが、むらおこしの原点は住みよいまち、むら、にすることである。地方の時代が叫ばれながら中央集中の時代にとどまったままで、その上全国的に財政投資も厳しくなり、地方の活性、自立はそれぞれの地方の人によらなければならない。
むらづくりの第一は、地域資源を洗い直して自分達でできるもの、他所にないものは何かを考え、地
域の特異性を生かすことである。宇佐市では、年間二百万人という宇佐神宮の参拝者を観光産業に結びつけることを考え、新耶馬台国というミニ国家づくりが生まれたのである。次に、産業、経済、文化と観光を一本化してテーマとストーリーによって地域の総合的なイメージアップを図ることである。さらにものづくりには、地域の人びとのやる気をおこし、知恵とセンス(感性)と情報を組みあわせていくことである。
むらおこし運動が地域の人々に理解されるまでには、大きな問題もありますが必死にやり抜くことが大事です。外から注目され、地域の人々の理解が得られると地域ぐるみの運動が進められていくと思います。
読谷村は、実は私達の先輩であり、私も昭和五十四年の読谷村の「シマおこし」シンポジウムに参加
した一人です。豊富な地域資源を持っていますので、益々すばらしいむらおこしができますよう期待しております。
鹿児島県宮之城町
前 田 晏 次
「チクリン村から」
農業中心の、のんびりとした宮之城町の活性化を図ろうと企画したのが五十八年、まつりに竹のみこしと、ミスかぐや姫を登場させたことだった。全国一の竹の産地であることに視点を置いたものだった
がこれが大当りで、これを更に産業と結びつけようということになり、まず、大分県の一村一品運動を視察して、ムラおこしの運動が本格化し、「チクリン村」というものをつくり出した。次にこのチクリン村の名前を全国に売り込むために各種の手づくりイベントを開催し成功した。そのウラにはこのネーミングに物産をのせていこうというもくろみがあったからだ。このあとは、物産づくりに知恵をしぼり、竹のはし、花器、かぐや姫人形、しょうちゅうなどを売り
込み、今では注文に間に合わないほどで、これが町内の活性化への大きな効果をうんでいる。
村おこしの最終的な目的は地域が豊かになることだが、そのためにはまず、行動をすることである。
他所のいいアイデアを盗み取る気持でなければならないし、意気盛んな若者が燃えることである。
読谷村は、ムラづくりの中の人づくりはかなり進んでいると思いますし、物づくりの材料は豊富だと思います。あとは読谷ならではのアイデアを加えてどう村づくりをするかだと思います。
村おこしに必要なのは土地、仕事、人にほれる、いわゆる”三ほれ主義”です。