読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1987年1月発行 広報よみたん / 8頁

もっとハイ““這い””を 読谷村立診療所所長森文彌

  読谷村立診療所
    所 長 森文 彌
 ”這い這い”は人間の一生の中で、ゼロ歳台の後半にだけ有るユニークな行動です。
 お母さんのそばに行きたい。あのオモチャにさわりたい、という気持が赤ちゃんをシャニムニ前へ進ませる。
 前へ行きたいのに、後へ行ってしまう子供もいる。
 一ヶ所をぐるぐる回ってしまう子供もいる。
 膝をつかず、四つ足で「熊さん歩き」したり、お尻をついて片足を前に出し、いざり歩く子供などもいる。
 みんな葛藤して、自分流の”這い這い”を開発してゆく。
 昔の日本家屋の何もない、広い部屋は赤ちゃんにとって大平原であった。遠くにいるお母さんに早くたどり着くために、歩ける子供でも途中急遽”這い這い”に切り替えて加速したものです。
 いま、家具に占領された家で育つ子供の中に”這い這い”をほとんどしないうちに立ち上がってしまう子供がいて、運動不足が心配されています。
 オモチャを自分で這って取りに行かず、指さしてうなるだけの横着な赤ん坊も増えています。
 指をさせばお母さん、おばあちゃんが取ってくれるのを知っているのです。この横着さの延長でしょうか、私が診療所で仕事をして居て感ずる事は、小学校児童はまだしも、中学、高校生までが「ハイ」「イイエ」を発音しないで頭を縦か横に動かすだけです。
 ”這い”に関連してお願いしたいのは「ハイ」「イイエ」ぐらいは口を使って音(声)を出して頂きたいものです。

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