読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1987年2月発行 広報よみたん / 2頁

待望の読谷村史ついに発刊 第1版「戦前新聞集成」上・下巻-年次的に全八巻を発行- 【写真】一般販売について

 明治三一年から昭和二十年までの村関係の新聞資料を集めた読谷村史『戦前新聞資料集成』上・下巻が村史全八巻のトップを切って発刊されました。
 昭和五十六年読谷村史の発刊が計画され村史編集室が発足して以来六年の歳月を経ての発刊となりましたが、この『戦前新聞資料集成』は読谷村史の第二巻(資料編一)にあたり、村史全体としては第一巻『読谷のあゆみ』(通史編)と第二巻から第八巻まで『戦前新聞資料』、『文献資料』、『民俗』、『芸能・歌謡・言語」、『戦争』、『考古・自然』、『戦後新聞・行政』を網羅した資料編という全八巻の壮大な読谷村史となります。
 本村では一九六九年に『読谷村誌』が発刊されていますが、当時米軍占領下という複雑な社会状況にあって可能な限りの調査・資料収集をもとに本村のあゆみを記した『読谷村誌』の発刊は画期的なことでありました。以後十七年の歳月を経て、読谷村誌の多大な功績をふまえ、この間の新しい資料の発見と地域史研究の発展を生かし、本村の新しい地域史づくりを目指して『読谷村史』が編集されることになります。
 村史の発刊はこれまでの本村のあゆみを記録し、現在、未来に至る村の道標ともなるべき大きな意義をもつもので村民ひとり一人の貴重な財産ともなり得るものです。膨大な資料の収集と検索・編集は筆舌に尽くしがたい困難な作業で全八巻の発刊までに十年余の歳月がかかる予定です。
 現在、村史編集室を始め、十三名の編集委員会が村史発刊に向けて取り組んでいますが村史編集に関しては、村史が村民ひとり一人の財産であることをご理解頂き、積極的な参画、ご協力をお願いいたします。

読谷の万葉集として

 読谷村史第二巻の発刊にあたり祝賀会が去る一月二六日開催されましたが席上、山内徳信村長は、「読谷村史第一版の発刊ができたことは感無量であります。一九六九年の読谷村誌以来十余年ぶりのことでありますが、この村史は〈人間性豊かな環境・文化村づくり〉を進める読谷村の万葉集ともいうべき、重大な意義をもつものです。今後十年余をかけて発刊されるものですが、次代の遺産として、又本村の将来を展望し得るすばらしいものとなり得るものです」と述べました。
 読谷村史編集基本構想

一、読谷村の文化創造活動の一環として位置づけ「人間性豊かな環境・文化村づくり」に寄与できる村史にする。
○村民が積極的に参画・協力できる体制を築き、フィールドワーク(実地調査)を通して、村史づくりを生活化し、地域づくりに寄与する。
二、読谷村の特性を生かし、足元を深めると同時に広い視野に立
  つ村史にする。
○読谷の文化を掘り起こし、住民に密着した歴史を綴り、土の匂いのする温みのある内容にする。
○現在における地域史研究の成果をふまえ、史料を最大限に活用して科学的に記述し、隣接市町村とのつ ながりを明らかにすると同時に沖縄県の全体像を把握できるようにする。
三、読谷村の将来を展望し、村民の精神的糧となる村史にする。
○過去、現在を客観的に分析し、限りない可能性を秘めた読谷村の将来を明るくしうるものとする。
○村民の愛郷心を養い「わしたしま読谷山」を誇りにし、村民のアイデンティティー(生きるよすが)をた くましく求めうるものとする。
-人間の営みは道となり、その道は過去から現在へそして人間が存在する限り未来へと確実につながっていくものである。
 過去から現在までの人間の歩んだ道を、客観的に検索し未来へと続く”道づくり”のあるべき姿を見つけ出す作業は現代に生きる者の義務ではなかろうか。その意味でたゆまざる人間の営みを正確に記録することは、文化創造の立場からとりわけ重要なことである。
-『読谷村史だより』より抜粋-

◎一般販売について
『読谷村史』第二巻
◎「戦前新聞資料集成」上・下巻
◎一部 三千円
◎読谷村史編集室まで申し込んで下さい。■八-三一四一
※数に限りがありますので申し込みはお早めにお願いいたします。

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