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1987年2月発行 広報よみたん / 9頁

記念講演 「青年の自立」 琉球大学法文学部研究生新名隆子【顔写真】

記念講演
 「青年の自立」
琉球大学法文学部研究生
 新名 隆子

 私も大学浪人という苦い生活を経験し、学生となって二十歳の頃に、皆さんと同じように成人式の席で、自分にとっては大きな決意をしました。-自分は何もできない、どうせ何をやってもだめだ-と考えるのはいやだと思ったのです。
 じゃどうするのか。むずかしいことでなくていいから自分のできることからやってみようと決心したのです。その手はじめに自分のコンプレックスの一つになっている英語を克服しようと独学を続けました。又、総務庁の主催する「東南アジア青年の船」に参加してみようと思い、ようやく一昨年何とか選ばれ参加することができました。沖縄からは私一人で数年ぶりの合格者だということでした。このアセアン五ヵ国を回る青年の船体験は私にとって大変貴重なもので多くのことを学ぶことができました。
 皆さんはこの席で何を決心していますか。
 私は二十歳の時、何か決意したことがその人の二十代に大変大きな影響を与えると思っています。
 夢は大きく、できないかもしれないと思うくらいの夢をもって、自分のできることからチャンスをつかんでほしいと思います。そして何度失敗しても自分の目標にトライする気持をもって下さい。それには-自分はだめだ-などと自分を制限しないことだと思います。
 私は読谷に生れればよかったと思う時があります。読谷は沖縄の歴史を支えた多くの人々がでてきたところでもありますが、私が見つけたその秘密の一つは、読谷の人々のチャレンジ精神、新しい物に立ち向う勇気でした。
 こんなすばらしい読谷に生まれ育った皆さんは、今日すばらしい決意をしていると思います。どうか読谷を世界にという気持で頑張って下さい。

▼新名隆子プロフィール
 ○宜野湾市我如古(昭和37年生れ)
 ○琉球大学法文学部研究生
 ○日本青年国際交流機構書記
 ○東南アジア青年の船に参加
 モラトリアム世代と言われる現代青年のあり方に猛省し、大学在学中から英語コンプレックスを克服し、東南アジア青年の船の体験によって諸国の青年と交流を深める一方、郷土の文化を青年の間にぶつけて共感を得るなど自己の可能性に挑戦して来た。思っているより高い目標をかかげて挑戦すれば、生き生きとした人生を送れると主張する。
※モラトリアム
 自立が遅く既成社会への同化をしたがらない青年期の状態

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