保健衛生課では毎年住民検診をおこなっていますが、その事後活動のひとつとして、各公民館まわりの健康相談を一月から三月にかけて実施しました。相談者の中に尿に糖がでて、血糖値が高く、糖尿病の疑いのある方が以前に比らべ増えてきているように思われました。その方々の生活習慣をきいてみますと、両親や血縁の人に糖尿病の患者がいたり、こうした遺伝的素質のうえに、食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足がもとでの肥満、その他ストレスなどが糖尿病を引き起こす誘因になっているようです。糖尿病になりますと、尿が多く出るようになり、のどが渇いて、水をたくさん飲むようになります。又、体がだるかったり疲れやすい、食事はすすむのにやせてくる、検査をしてみると尿糖が陽性であったり、血糖値が高くなっていることがわかります。では、なぜこのような多くの症状がでてくるのでしょうか。それは糖尿病の特徴である”インスリン不足”に原因があるのです。インスリンというホルモンは、体の中の代謝をなめらかにおこなうために、又、食べた食事をうまく利用するためにぜひとも必要なホルモンです。インスリンが不足している場合には血液中の栄養分の濃度が高まり、「高血糖」の状態になるのです。よく検診の会場で「オシッコに糖がでているといわれたけど私は糖尿病なんですか」との質問を受けたりすることがありますが、尿に糖がでただけでは糖尿病の診断をつけることはできません。尿糖がでているといわれたら血糖の検査を受けることをおすすめします。ブドウ糖負荷試験(509)で、一時間値が㎎/■以上、二時間値が130㎎■以上である場合は、糖尿病と判断され治療が必要となります。糖尿病の管理は早い時期に始めるほどその効果は大きいものですから診断されたら治療に必要な事項をよく守って、早めに糖尿病の管理に取りかかりましょう。上手に治療と自己管理を続ければ、天寿が心豊かに全うできるのです。
尚、成人病に関する相談は、毎週月曜日に保健衛生課でおこなっていますので、お気軽に御相談下さい。