※続き
(9)緑化およぴ美化運動の推進
かつて緑豊かであった読谷の地は、戦禍はもとよりその後の米軍基地構築も相まって緑が失われてきた。緑を回復するには長い歳月を要し、根気強く運動を継続していくことが基本となります。戦後四十有余年の間に緑も回復しつつありますが、今後も観光地修景緑化事業や緑化コミュニティ助成事業の導入と村花・村木を中心に村民ぐるみで緑化運動を展開するとともに残存する緑の保護を推進してまいります。
ことに国体が開催される本年度は「花いっぱい運動」や「美化運動」を強化し、県外からの関係者を気持ち良く迎えられますよう一層の努力が必要となってまいります。
(10)海邦国体の成功のためのとりくみ
第四二回国民体育大会”海邦国体”はいよいよ目前に迫ってまいりました。広く国民の間にスポーツを普及し、アマチュアリズムとスポーツ精神を高揚して国民の健康増進と体力の向上を図り、併せて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに国民生活を明るく豊かにしようとする目的の下に、全国一巡のしめくくりを南国の太陽、紺碧の海、亜熱帯の自然と伝統文化の豊かな沖縄県で開催されることは誠に意義深いものであります。ことに復帰十五年という節目の中で「スポーツの祭典」としては当然のことながら「平和実現のための祭典」としても大きな意義をもつことになります。
本村におきましては少年男子ソフトボールが開催されますが、その強化メンバーの中に本村から五名が選抜され、大会に向けて練習に励んでいるところであり村民の皆様の暖かい御声援をお願いするものであります。
会場建設にあたりましては筆舌に尽くしがたい幾多の困難が伴いましたが関係者の深い御理解のもとに間もなく完成の運びとなり、その名称も二三点の応募の中から、平和の里、平和の森の願いが込められた「読谷平和の森球場」が採用され、新たなスポーツの拠点に生まれかわります。
国体開催時には日本各地から選手や役員そして視察員等、多くの方々が訪れることになりますが、村民みんなで暖かく迎えて良き思い出の国体にしたいと思います。
国体運営にあたりましては、競技、宿泊、輸送、救護、接待、演技、花いっぱい運動その他数多くの持ち場、持ち場の態勢づくりが必要となります。そのために村内各種団体をはじめすべての村民の直接間接の御理解と御指導、御協力を仰ぎ村民ぐるみの国体にしたいと思います。
(10)第二次基本構想の策定
「人間性豊かな環境・文化村」を将来像に「村民主体」「地域ぐるみ」「風土調和」の三原則を基本理念とした第一次基本構想を策定し村づくりをすすめてから本年度で十年目にあたります。基本構想は村政を進めていく上での柱となるものであり、これまで内外の多大な協力により具体的施策を実施してまいりましたがこれは第一次基本構想に基づくものであります。
本年度はさらにこの第一次基本構想の上にたった二一世紀に向けての村づくりの礎となる第二次基本構想を策定するものであります。今、読谷村は沖縄県の中の一自治体にとどまらず全国的にも注目される自治体になりつつあり、村民の英知を結集し、、二一世紀を展望する村づくり構想を確立しなければなりません。村民の「夢とロマン」と「情熱と実践」に満ちた人間性あふれる構想の策定を行ってまいりたいと思います。
一方、村づくりの目標を実現するために村民の実践項目として「村民憲章」を制定してまいりたいと思います。「村民憲章」は、全国三〇〇〇余の自治体の中で読谷村という自治体に住む人の暮しの憲法とでもいうべきもので、日々の生活の規範として位置づけていくことになります。
(12)昭和62年度予算及び案件等について
昭和62年度予算にあたりましては、これまで申し上げました諸施策を重点に次のように編成をいたしました。
○一 般 会 計 4,753,838千円
○上水道事業会計 644,437千円
○国民健康保険特別会計 1,278,918千円
○診療所特別会計 140,232千円
○老人保健特別会計 661,381千円
以上の5会計で7,478,806千円の予算となり、対前年度伸び率が2.8%となっています。
今議会は議案25件を提案してありますが、この他にも数件の議案を追加提案する予定であります。
最後に、これまできびしい予算状況の中で村民総参加での村づくりを実践してまいりましたが、海邦国体が開催される本年度はより一層の村民の皆様の御理解と御協力を仰ぎたいと思います。尚、予算執行にあたりましては効率的な財政運営を行い、村民福祉の向上並びに本村の抱えております諸問題の解決に向け職員一体となって努力してまいりたいと思いますので議員各位におかれましても一層の御協力、御指導をお願い申し上げ昭和62年度の施政方針といたします。
昭和62年3月12日
読谷村長 山 内 徳 信