読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1987年9月発行 広報よみたん / 2頁

【見出し】核兵器の使用禁止・廃絶の要請を決議 第168回読谷村議会定例会(9月定例会) 【写真:核の廃絶要請決議をした第168回読谷村議会の定例会】

 第一六八回村議会定例会は去る九月九日から九月十八日までの十日間開催され、昭和六十一年度の一般会計、特別会計の歳入歳出決算認定を始め九件の議案審議と三つの決議の他、農業委員の推薦と報告一件がなされました。
 この中から決議では、「核戦争の勃発から人類の破滅を救うための要請」決議が全会一致で採択されました。
 本村では、一九八二年六月に議会決議により「非核宣言」をいたしましたが、今日に到るまで尚世界の情勢は、核による力のバランスという異常な危機と緊張をはらんだものとなっております。唯一の被爆国民の一員として又、第二次世界大戦では日本国唯一の地上戦を体験した県民として平和への願いは切なるものがあり、特に核戦争による人類の破滅は最も恐れなければならないものです。
 こうした状況の中、「平和の村」を目指す本村ではこの要請決議を採択し、世界の核保有国へ核廃絶の要請をいたしました。

 核戦争の勃発から人類の破滅を救うための要請

 私たち読谷村は、日本国沖縄県の一つの自治体であります。面積34.48平方キロメートル、人口29,744人、総面積の48%が米軍基地であります。基地の村から地方自治体の意思として貴国に対し強く要請致します。
 沖縄は第二次世界大戦(太平洋戦争)中、米軍の上陸によって日本国唯一の陸上戦の死闘が展開され、多くの犠牲者を出した悲惨な体験を有する島であります。
 又、日本国民は戦争の結果としてヒロシマ、ナガサキの原爆の残酷な体験をも有し被爆国民という立場にもあります。身をもって体験した国民が、今最も恐れ、最も心配していることは、地球上(核兵器保有国)に存在する大量の核兵器のことであります。大国の力によるバランス論で、核兵器の製造・保有軍拡競争が進められまいりましたが、ひとたび核戦争が勃発すれば人類の破滅につながるからであります。核兵器を持つことは人類の不幸への出発であるという人間的な深い認識が必要であります。
 人類はこれからも地球を大事にし、その上に生存しなければなりません。そして、子孫の為に美しい郷土と素晴らしい地域文化を未来に引継ぎ、人間の知性と愛の炎がこの地球上から消えることがあってはなりません。私たちの自治体は、その責務を明らかにするため村民と共に「平和宣言」をし、「非核宣言」を1982年6月、議会決議を行い活動を進めてきたのであります。
 このたび読谷村は、貴国に対し、人類の生存と発展その栄光のために次のことを強く要請します。
           記
1.人類の破滅をもたらす核兵器の製造をしないこと
1.核兵器を保有することは使用への道を可能にする恐れがあり、その保有を禁止すること
1.核兵器を廃絶すること
 以上、貴国をはじめ核兵器保有国が「核兵器」を進んで廃絶される御英断を心からお願い申し上げる次第であります。
 以 上 決 議 す る。
                 昭和62年9月16日
                 日本国沖縄県読谷村議会

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