去る12月14日から18日まで開催された第171回読谷村議会定例会において、「日の丸焼却、世代を結ぶ平和像破壊等民主主義を否定する一切の暴力行為を許さない宣言決議」が決議されました。
これは、海邦国体、少年男子ソフトボール競技の開始式での日の丸焼却事件、引き続き起こった放火、破壊などの暴力行為に対するものとして提案され、同議会で18日、賛成多数で決議されたものです。
以下に宣言決議の全文を掲載します。
日の丸焼却・世代を結ぶ平和の像破壊等民主主義を否定する
一切の暴力行為を許さない宣言決議
われわれ読谷村民の先人達は、残波を岬とするこの半島に、あら波と北風にもまれながら遠大な歴史と今日を築いてきた。現在を生きるわれわれは、その伝統の後継者として21世紀の歴史の批判に耐え得る「人間性豊かな環境文化村づくり」に邁進している。
わが沖縄県にとって、50年に一度しか巡ってこないと言われる今世紀最大のスポーツイベント海邦国体は、とどこおりなく全日程を終了した。
われわれ読谷村民は、平和の祭典として少年男子ソフトボール競技会を成功させるために全智全能全力を尽くして立ち上がり、もてるだけの真心をもって歓待し、今、すべての村民の心に成就感と未来への思い出を残している。
選手団の歓待、競技役員、花いっぱい運動、環境整備、集団演技等々にたずさわったすべての村民、23行政区をはじめ、老人会、婦人会、子供会等協力団体数でも50有余である。文字どおり村民ぐるみの海邦国体、少年男子ソフトボール競技会であった。
そうした中での開始式における、日の丸焼却事件は、村内外に大きな衝撃を与えた。このことは遺憾極まる残念な行為であった。
又、この事件に報復する故をもって、スーパーへの放火、建造物破壊やチビチリガマ世代を結ぶ平和の像の破壊が行なわれた事件も蛮行極まるものであり、断じて許せるものではない。
暴力では民主主義と平和を期待することはできない。われわれ読谷村民は、一切の暴力行為を否定することを明確にし、人間の心と心の触れあいを大事にするとともに、民主主義の立場を堅持し、事の解決に当っては、民主的討論を基本に対応すべきを望むものである。
一方、事件後、読谷村民に対し公金、進学、就職等において、偏見の目で差別があってはならない。
この事件でもって全村民を同類におしなべる事は、真実と真理に背く事である。
読谷村民のひたむきな勤労精神と勤勉さ、純真、寛大な協調性はどんな力を持ってしても決して消し去る事はできない。ましてや、この事件とは全く無縁である。そのことを強く確信する。
わが読谷村には、国体後もむらづくりについて、全国津々浦々から多くの来訪者が絶えない。今回、国土庁長官賞に輝いた、住み良い農村コンクール優秀賞地区、座喜味区にみられるように、村づくりは、いよいよ注目の熱いまなざしがそそがれ、光り輝きはじめているのである。
読谷村の未来は誰のものでもない。われわれとわれわれの子々孫々のものである。
読谷村を更に飛躍、伸展させるのも、われわれと、われわれの子々孫々の力以外にはない。
われわれは、民主主義と平和を基調として、確信をもって突き進まなければならない。洋々とした未来に雄々しく、明るい読谷村民として、素晴らしい誇りを体いっぱい感じつつ、全国民と共に連帯し、恒久平和をめざす地域づくりのため奮闘することを宣言する。
以上決議する。
昭和62年12月18日
沖 縄 県 読 谷 村 議 会