農業者年金は「農業者にもサラリーマン並みの年金を」という農家の方々の強い要望によってつくられた制度です。
この制度は、国民年金に加入している農業者に国民気金の給付に加えて、農業の経営を後継ぎなどに譲ることを契機として、経営の若返りや農地の規模拡大を図りながら、経営を譲った後は、農業者年金によってゆとりある老後生活をすごしていただくことを目的としています。
現在すでに五十四万人の方々が年金を受給しており、これは、農家の十戸のうち一戸以上が農業者年金を受けていることになります。
このように農業者年金は、農家の暮しにとって大きな支えとなっています。
さて、農業者のあなたが農業者年金に加入しょうかどうか考えるときの判断材料として、まず一つには、農業者年金では、民間で行っている年金ではとれない物価スライト制があることです。
民間の年金では、契約された年金額は、二十年後、三十年後も同じですし、配当額なども約束されたものではありません。
しかし、農業者年金の場合、仮に年平均三%の物価上昇が続けば二十年後には、一、八倍、三十年後には二、四倍といった倍率で年金額が引き上げられます。
具体的には、六十五歳未満の方の経営移譲年金は現在受給されている方でも、すでに月額で平均六万円を超えていますし、これから加入する方は、加入期間が三十年ですと、月額七万円となります。この七万円という額は、現在の価格ですから、三十年後に実際に受けとる時には約十七万円になり、老後生活にとって大きな保障となります。
さらに、農業者年金の経営移譲年金には、五割という国民年金や厚生年金など他の公的年金にみられない高い国庫補助があります。
このことは、国が責任をもって運営しているということですから安心して加入できる年金と言えます。※農業者年金の、内容等についてのお問い合せは、農業協同組合、又は農業委員会へお気軽におたずね下さい。