読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1988年11月発行 広報よみたん / 8頁

保健婦だより むし歯予防-ある母親のつぶやきから-

 ”健康づくり村民のつどい、が去る九月十日と十一日の両日行なわれました。二日目に一才児~三才児までを対象に、歯科医による歯の検診や相談、歯科衛生士による歯みがき指導、そして無料でフッ化物塗布が行なわれ、このような機会が得られて良かったと多くの方々に喜ばれました。
 保健婦もこのコーナーでお母さん達と話しをする機会があり、むし歯を予防するために一生けん命だと痛感させられました。そんな中、あるお母さん臼く、「おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に来ればよかった。」とのつぶやきが印象に残りました。
 このお母さんには、一才六カ月になる子どもさんがいますが、そのAちゃんにはすでに四本のむし歯があります。Aちゃんは甘い物大好きっ子!!。(これは一般的にどの子にも共通することですが…。)はじめての子であり、それに初孫。おじいちゃん、おばあちゃんは目にいれても痛くない程のかわいがりよう。びっくりしたことに、五カ月のまだ歯のはえてない頃からケーキ、カステラを与えられ、一才の誕生日には、お菓子やヤクルト、コーラ等まですべて口にしている状態とのこと。これじゃむし歯にならない方が不思議なくらいです。子どもの喜ぶ顔は確かに周囲の大人にとってかけがえのないものです。かわいい仕草みたさについつい甘い物を与えることになるのは当然の人情でしょう。しかし、その結果むし歯の泣き顔を見るようでは困りますね。食べることは楽しみの大きな部分です。ケーキ、カステラ等、絶対食べさせてはいけないと言っているのではありません。適当な量を与えてほしいのです。たとえば、甘いお菓子は一日二回に制限する。砂糖入りの飲み物はおやつと一緒か食事の後以外は飲ませないという基本線をしっかり決めてできるだけ守らせたいものです。
 読谷村は、三才児では十人中八人、一才六カ月児では十人中一人がむし歯のある子です。ひとりあたりのむし歯の数は三才児で5.4本一才六カ月児では0.4本でいずれも県平均を上まわっています。又、祖父母との同居世帯の子にむし歯のある子が多いという統計上の数値も見逃せません。むし歯を予防するには、歯みがきや、フッ化物塗布ももちろん大切なことですが、甘いものに手を出さないような食習慣を赤ちゃんの頃からつくることだと思います。「甘いものを与えすぎないように」と母親だけが決心してもそう簡単にいくものではありません、おじいちゃん、おばあちゃん、かわいい孫のために今一度考えてみてはどうですか。歯の健康は、健康な体の基本ですから。

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