憲法の理念に立ち「平和宣言」村民とともに21世紀を展望するムラづくりを推進 平成元年度施政方針 【写真:2】一、はじめに二、村政に対する基本姿勢三、本年度の重点事項 【写真:2】四、本年度の実施項目(1)学校教育、社会教育の充実並びに地域文化創造に関する施策 【写真:2】(2)産業・経済の振興に関する施策 【写真:5】(3)社会福祉増進のための施策(4)生活環境の整備に関する施策 【写真:4】(5)読谷飛行場転用計画実現について(6)残波岬地域及び海岸整備等の開発促進 【写真:2】(7)緑化および美化運動の推進 【写真:1】(8)行政区域の改善(9)行政機構改革及び執行体制の強化(10)平和行政の推進(11)比謝川沿岸整備計画基礎調査5おわりに
③ 文化財の保護並びに文化創造運動の展開
「文化」は人類のみが持ち得る崇高な諸活動の開花現象であります。私達はこれを正しく受け継ぎ、さらに発展させていかなければなりません。また、文化は豊かな地域社会を形成する培養体でもあり、地方自治の確立につながるものでございます。
「人歩けば道となり、その道はやがて文化となり、歴史となります。」この歴史的文化遺産は村民生活の糧となり、新しい文化創造の礎ずえになります。この先人の遺した貴重な文化遺産を収集、保存、発掘、調査、展示するため、歴史民俗資料館を中心に活動してまいりました。昨年度は狭隘となっていた歴史民俗資料館の新館も建築されました。一階部分は歴史、民俗等の資料を展示し、二階部分は美術作品を展示し尚一層の内容充実をはかってまいります。
また、読谷村における美術、工芸等の創作活動の発表の場であります第九回「アンデパンダン展」をはじめ、地方文化の啓発と児童・生徒の情操教育の増進を図るため「動く美術館」を今年も開催する予定であります。
村史編集事業につきましては、これまで「戦前新聞集成上下巻」「文献編」が発刊されました。今年度は、「民俗編」の監修作業と発刊準備に取りかかります。また、昨年に続いて「芸能・歌謡・言語編」と「戦争編」、の調査執筆「考古・自然編」の調査を継続してまいります。
また、年々盛大に開催されております「読谷まつり」も今年で第十五回を数えるに至りました。「地域に根ざした産業・経済・文化・芸術の発展」をスローガンに新しい文化の創造、産業の発展がまつりを通して着々と実践されております。それは児童・生徒から老人まで全ての村民が明日の読谷の村づくり運動として参画することに大きな意義があり、その運動は一過性でなく日常的な動きへと広がってきております。今年も村民総参加の「読谷まつり」をめざし、読谷村の一人イベントとして、また、村民ひとりびとりが新たな文化のクリエーター(創造者)になって、地域文化の集大成の場として展開させてまいります。
(2) 産業・経済の振興に関する施策
わが国の産業・経済は高度経済成長期から低成長時代を経て、安定成長期に入っております。このような経済・社会構造の中にあって国際化、情報化、高齢化の三化時代、ソフト化の時代と言われて久しいのであります。
地域における産業・経済につきましては、村づくりのもっとも基本的な下部構造でありますので時流を正しく見きわめ、その時代に相応しい産業、経済施策を展開することが大切であります。それは、地場産業の拡充と地域の資源、人材、技術、資本など潜在能力を堀りおこし地域産業として創出することが重要であり、また、産業としての体質、体力の強化をはかることが基本となります。すなわち、地域特性を活かした産業開発、いわゆる地域主義を実践していくことであります。
一方、沖縄の零細でかつ特異な経済構造は個々の産業で発展するには厳しいものが予想されますので、各産業間の連携を強めるとともに異業種間交流などを深める中から発想の転換、新たな産業創出、共存共栄の仕組みを創り出す努力が必要であります。
そこで、今年度において地域特性を活かした産業、経済の振興策として次のような施策を実施してまいります。
① 農業生産基盤の整備
わが国の農政は価格政策と構造政策が二本の柱になって進められておりますが、価格政策においてはかげりが見られます。また、国際情勢は輸入自由化が追られている状況下にあり、日本農業は大きな課題を抱えております。
一方、沖縄農業は、復帰後かなり勢力的に種々の振興策がはかられ、その展望が開けつつあるものの、狭小な地理的条件に加えて、生産基盤の立ち遅れ等課題も山積しております。このような国際及び国内的農業事情に対応していくためには足腰の強い農業を推進していかなければなりません。そのためには、まず土地改良事業等を中心とする農業生産基盤の整備は急務であります。村といたしましては、これらの課題に対拠すべく農業生産基盤の整備等を強力に推進しているのであります。
昭和五十一年に初めて導入された土地改良総合整備事業は座喜味、渡具知で事業が完了し、昭和六十三年までに西部連道、渡慶次、浜屋地区の二一四・一ヘクタールのほ場が整備されました。今年度は萩川、波平地区の継続事業を行うとともに新規に宇座、池之当地区土地改良総合整備事業を推進してまいります。
イ、西部連道地区土地改良総合整備事業
昭和五十五年度より事業導入された本地区の土地改良総合整備は昨年度までにほ場、七七・八ヘクタール、幹線農道二、一二七mが整備されました。今年度で換地処分を行いすべての事業を完了させてまいります。