読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1989年5月発行 広報よみたん / 4頁

ゆんたんざぐすくフォーラム-地域文化を考える- 【写真:1】役割と将来展望パネルディスカッション ☆西平朝吉氏(村商工会事務局長)☆池原伝雄氏(楚辺区区長)☆塩川信子(村婦人会会長)☆新城正光氏(読職労常委員長)

 「地域文化を考える」をテーマに読谷村職員労働組合主催の「ゆんたんざ・ぐすく・フォーラム」が去る四月二三日、歴史と文化の凝縮された座喜味城跡で開催されました。
 読職労では、昨年四月、自治労中央本部(百六十万人)の「地域活性化モデル単組」の指定を受け村内各種団体との連携を密に、ムラおこし事業を展開して来ました。従来の自治体・住民団体による「ムラおこし・ムラづくり」の固定観念の枠を乗り越えた労働団体の参画は、県内外の注目を集めました。
 新城正光読職労委員長、山内徳信村長らのあいさつの後、友利廣地域政策研究所長が「地域文化を考える」と題して基調講演を行いました。講演の中で友利所長は、地域活性化がクローズアップされている中にありながらも、中央直結型、首都圏一局集中型の時代にあると指摘。住民の英知を結集し「その議論の中から地域文化を創出しょうとする目的意識の高揚と地域連帯性の確立、更に、祭りイベントにおける、マスメディアを媒体とした地域アピールの徹底を強調しました。 このあと、午後からは、パネルディスカッションに入り、田島利夫地域計画研究所長をコーディネーターに「読谷まつりがムラづくりに果たす役割と将来展望」について、商工会、区長会、婦人会、読職労と各立場から活発な討論が展開されました。
 会場では、座喜味子ども会による伝統芸能「座喜味棒」と読谷村を拠点に、全国的活動を続ける残波大獅子太鼓による演奏などで、ぐすくフォーラムに花を添えました。

役割と将来展望 パネルディスカッション

☆西 原 朝 吉 氏
 (村商工会事務局長)
 二年前の「ムラおこしシンポジウム」を皮切りに去る三月の「紅イモシンポジウム」と着実な成果を上げて来ているところである。当初、読谷まつりに対して関心の薄かった商工会も、各種表彰受賞式をまつり会場内に設け、演出効果を狙い、又創作「進貢船」の主人公泰期を青年部が演じ、自信とプライドを持ち始め、今日的、自主・主体的な参加をみるに至る。
 まつりを総参加の視点で捉えた場合、企画運営の段階から参加させて欲しい。「継続は力なり」と言われるが、新陳代謝の上から更新する事も必要である。そして村外起用も図る事により、巾広い交流の場となり、愛着の持たれる読谷まつりが期待されよう。
 商工会は、出店を主体とするわけだが、直接的経済効果、販路拡大が見込まれなければならない。その意識の高揚が活性化につながる。

☆池 原 伝 雄 氏
     (楚辺区長)
 楚辺の赤犬子から読谷の赤犬子にまで成長し、地元楚辺で「赤犬子シンポジウム」が持てた事は、読谷まつりが、伝統芸能の継承発展に大きく寄与した事になる。元来の「遊びジマ」が功を奏し、古くから文化交流の盛んな楚辺区では、これまで数々の伝統芸能が復活上演され、その上更に新生歌劇「手水の縁」を創作、読谷まつりを拠点に、区民あげての飢意工夫を疑らしたムラづくりが進められている。しかも、それは、平和の礎の上に有る事を忘れてはならない。そろそろ、まつりの企画を各分野に任せる段階に来ているのでは…。

☆塩 川 信 子 氏
    (村婦人会長)
 婦人会は、第一回目からの読谷まつり参加である。まつり担当者の熱心な指導の下猛稽古を重ねた。
忙しい家事の合間をぬっての参加は、家族の理解と、村づくりへの思いが有ったればこそ。読谷まつりでの晴れ舞台は、いつしか本物の踊に目ざめ、青年会、老人会等各団体の行事にも活用され、活性化に一役買う事になった。ムラづくりに参加し、そこから新たな文化を生み出す喜びは、何事にも替え難いものがある。親が変われば子供達も変わる。女性が変わればムラも変わるという気概を持ち、横の連携を密にしたい。何度か悪天候に見舞われた印象が強いのだが。

☆新 城 正 光 氏
   (読職常委員長)
 観衆と出演者が、一体となって織り成す大スペクタクルロマン・創作「進貢船」は、読谷まつりの最後をかざる。議論を重ねた結果の団結力、協力体制は見事。赤犬子(楚辺)、泰期(字座)に見られる様に地域文化の継承発展へとつながった。
 読谷村民の団結力、組織力を築き上げた背景の一つに、読谷村体育協会主催による村陸上競技大会が上げられる。同大会は、読谷まつり登場以前における最大イベントであり、各字あげての総参加は伝統として読谷まつりへ受け継がれた。その体協組織の主流を成しているのが役場職員等である。労働運動においても、地域の人々との連携を密に活性化に努めたい。

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