今年も又、泰期を乗せた進貢船が文化文物を満載にして帰って来た。
打ち鳴らす鉦、太鼓、燃え立つ炎。湧き返る観衆の群れにゆっくり進む進貢船。炎に照らし出されるその勇壮美は幻想の世界へと誘う。
総勢四百人余の出演者と幾万人もの観衆が織り成す大スペクタクル・創作「進貢船」の登場に、読谷まつりもクライマックスに達し、フィナーレを飾る。
残波大獅子太鼓の若き燃える獅子たちの躍動感あふれる迎え太鼓の響きと、民衆の鼓動が一つになって執り行われる歓迎の様式。
続いて舞台は無事帰行した泰期一行をを讃える祝宴が、会場いっぱいに華やかに繰り広げられて行く。
時の流れを越えてやって来た大交易時代の先駆者泰期は、その進取の気性を現在に伝え、そして再び翔いて行った。夢とロマン、平和を愛する読谷の魂は今、創造の海へと出航するのである。